昔、あるところに真面目な武士がおりまして、古道具屋で買った仏像から50両もの小判が出てきたのですが、自分は、仏像を買ったのであって、小判を買った訳ではないから、小判は持ち主に返すと言い出します。
ところが、仏像の元の持ち主も、なかなかの堅物で、いったん売ってしまったのだから、そんなお金は受け取れないとの一点張り。
とりあえず、大家の仲裁で、元の持ち主が古い茶碗を渡して、その代金として半分の25両を受け取ることで収まります。
ところが。
ただの古い茶碗だと思ったところ、磨いてみると名器「井戸の茶碗」だったから、さぁ大変。再び、返す、返さないでもめます。
オチは、この真面目な武士が、妻をもらうことになって、周囲から「磨けばきっと美人になる」と言われたのに対して、
「磨くのはよそう。また小判が出るといけない」