色町での遊びの醍醐味は、騙しだまされといった、お客と女性の駆け引きにつきます。
女性の方は、とにかく客に何度も足を運ばせようと、時には優しくしたり、すねてみたりと、手練手管を駆使して、男性をとりこにしようとし、男性は男性で、楽しく(なるべく安く)遊ぼうとして、時には……と言いたいところですが、どうも男性陣は旗色が悪そうですね。少なくとも、女性をうまくだませたことがない、というか、だまされっぱなしの僕には、ちょっとうまくだます方法を思い付きません。
ともあれ。
この噺は、そうした色町のキツネとタヌキのばかしあいを面白おかしく描いたものです。
なお、題名に使われている「お茶」は、涙を演出する小道具としてポピュラーな存在でして、オチはそれを踏まえて、嘘泣きを始めた相手に「お茶を汲んできてあげよう」と言うもの。
ところで、ここで問題。お茶を汲みに行ったのは、男性・女性どちらでしょう?