[][目次]

逆さ落

 さて、昔の遊郭というのは、時間制でございまして、線香が1本消えるごとに料金が上がるという仕組になっておりました。これを「お直し」と言います。まぁ、この辺は、今でもあまり変わりないのでしょうけれど。

 この噺は、自分の奥さんを売春させるという話でして、話そのものは、今でも通用するぐらいドロドロしたものになります。

 落ちは、奥さんが浮気しているんじゃないかとヤキモチを焼いた夫が、客の前で夫婦喧嘩をして、すったもんだした挙げ句、仲直りをするかどうかもめていると、お客が、

「お前さん、直してもらいなよ」


[][目次]