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 一口に盲人と言っても、子供の頃から目の見えない人と、大人になってから目が見えなくなった人とでは、微妙に違うのだそうです。

 生まれながらの盲人は、杖よりも先に頭が前に行くのだそうで、年をとってから目が見えなくなった人は、杖の方が先に前に出るのだそうです。これは、小さい頃から目が悪い人は、車がどういうものか、知りませんから、恐いものがない。これに対して、年をとってからだと、そういうものをよくご存じですから、怖さの方が先に立つのだそうです。

 ともあれ、この『景清』は、盲人が信心によって、目が見えるようになるという、大変めでたいお話です。特に落ちはございません。


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