Qちゃん

 最近、夫はこれから産まれてくる子供の名前をどうするかで頭を悩ませていました。

 将来、子供が大きくなって、自分の名前の由来を知りたがったときに、ちゃんと説明できる名前の方がいいだろう。あるいは子供が悩んだときに、励みになるようなのがいいのではないか。名前が原因でいじめられるのは可哀想だし……。

 女の子の方は、すでにいくつか候補があるのですが、男の子の名前となると、なかなかこれというものが出てきません。

 ちなみに、僕の名前の由来を親にたずねたところ、

「うちらが決めたんじゃないから、よーしらん」

という答えが返ってきました。そんなこったから、こういうちゃらんぽらんな子供ができるんだという気がしないでもありません。やはり、子供の名前はまじめに考えた方がいいようです。

 しかし、夫が、子供の名前を早く決めなければと焦る原因は、別のところにありました。

「Qちゃん」

 あっこさんは、最近、大きくなったおなかをさすりながら、そんな風に呼びかけています。

「いくらなんでもQちゃんは、ないだろう」

というのが夫の意見です。しかし、あっこさんはそんな夫を意に介さず、

「Qちゃん、お早う」

とか、

「Qちゃんは、今日も元気ですね〜」

と語りかけているのだそうです。

 さて、あっこさんのお子さんの名前は、どのような決着を迎えるのでしょうか。個人的には、Qちゃんもアリだと思うのですけど。


あっこさんメモ

子供の名前は最初のインスピレーションが大切


 この話は実話を元に、冨倉が若干の脚色を行ったものです。実在の人物、場所、事件となにかの関連性があったとしても、それは気のせいなどではなく、多分本当に起こったことです。なお、本件に関する苦情、その他につきましては、冨倉までご連絡ください

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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2000.05.30 $