女性は、仕事・遊びを問わず、カバンを持ち歩く人が多いようです。勿論、中には「あたしゃ、手ぶら主義だ。参ったか」と意味もなく自慢する人もいるようですが、基本的に女性は、常にカバンを携帯し、はち切れんばかりの小道具をあの中に忍ばせているようです。一度、友人のカバンの中を見せてもらったところ、

• 財布
• 定期券
• 手帳
• 筆記用具
• ハンカチ
• ティッシュ
• 手鏡
• 化粧道具一式
• キャンディの入った袋（僕のしつけに使うとのこと。僕はパブロフのイヌじゃない！）
• ポテトチップス（小型版）
• 生理用品
• 文庫本
• 眼鏡ケース
• なんかのチラシ（駅前でもらったとのこと）
• ウォークマン
• CD2枚
• 防犯ブザー
• 各種割引券
• ガーゼのタオル（夏だかららしい）
• 肌荒れ対策クリーム

とあきれるぐらい、いろんなものを詰め込んでいました。

　男の僕はと言うと、仕事に行くときは基本的にカバンを持っていきますが、それほど大したものが入っているわけではなく、列車の中で読む本、仕事に関係するしないにかかわらず、いくつかの資料、CDウォークマン、それにノートパソコンぐらいしか入っていません。ちなみに、普段遊びに行くときは、たいてい手ぶらで、よくてポケットに文庫本が入っているといったぐらいです。

　ともあれ。

　上司は僕に輪をかけて物を持ち歩かない主義らしく、いつも手ぶらで出社しています。

　そんなわけで、夫が帰宅すると、あっこさんはまず、夫のポケットから取り出される財布、定期、携帯を受け取って、翌朝夫が忘れないように、所定の位置に片づけています。どうやら、あっこさんは、この作業があまり楽しくないようです。唯一のあっこさんの楽しみは、夫の財布から500円玉を探し出して、貯金箱に入れることぐらいです。

　そんなあっこさんの気持ちを察してかどうか、ある日、夫は、いつものように携帯やなんやかやをあっこさんに手渡すときに、

「はい、おみやげ」

といいました。

　それを聞いた、あっこさんは嬉しそうに「おみやげ、おみやげ」とはしゃぎました。 　それを見た夫は、

「こいつはおみやげとさえ言えば、なんでも喜んで受け取るんじゃないか」

と不埒なことを考えました。

　しかし、どうなんでしょう。おみやげというからには、渡されたものは、あっこさんのものになるはずです。財布とその中身も……。

あっこさんメモ

　嘘でも「おみやげ」は嬉しい。