金メダル

 冬のオリンピック、どうでしょうか。毎度のことながら、夏のオリンピックに比べて今一つ盛り上がりに欠けるわけですが、個人的にはリュージュに夢中になっていたりします。と言っても、にわかなため、細かいことは全然わからないのですけれど、とにかくあのスピード感は気持ちよさそうです。NHK解説者のあのクールさがいかにもマイナーなスポーツ(関係者の方ごめんなさい)の悲哀を感じさせるわけで、それも含めて深夜遅く、リュージュ中継をチェックしています。おかげで寝不足気味です。急遽飛び込みで3月しょっぱな締切の仕事が3件ほど入っているので、体調は維持しないといけないとは分かっているのですが……。

 それはともかく。

 夫が、冬のオリンピックは日本の経済を反映していると言いました。

 どういうことかと不審に思っているあっこさんに夫は縷々説明しました。曰く、長野オリンピックで大はしゃぎした結果、光通信の倒産などITバブルがはじけた。ソルトレイクは評判倒れで、日本勢は金が全くとれない。これは今の不況と同じだ云々。

 夫の説にいたく感心したあっこさんは、そうよね、ホントそうと大きくうなずき、日本人選手の不甲斐なさを怒りはじめました。

 いや、選手は悪くないからと、夫が言うと、そんなことないとあっこさんは反論します。

 でも、選手は日本人の中で最高の人物を選んだわけだから、それが世界に通用しないのは構造的な問題であって、選手自身に責任はないと夫は選手をかばうのですが、あっこさんは納得しません。

 夫は、あっこさんの怒りを静めようと、もし俺が選手だったら、「だったら自分は金をとれるのか」と言うはずだと理詰めで説得しようとしました。

 しかし、これは売り言葉に買い言葉。あっこさん曰く、

私は、金を取るから!


あっこさんメモ

 物事は言い切ることが肝心。


 この話は実話を元に、冨倉が若干の脚色を行ったものです。実在の人物、場所、事件となにかの関連性があったとしても、それは気のせいなどではなく、多分本当に起こったことです。なお、本件に関する苦情、その他につきましては、冨倉までご連絡ください

目次

とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2002.02.17 $