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多重人格アワー

著者しりあがり寿
タイトルしりあがり寿の多重人格アワー
出版社中公文庫出版年2000年価格686円
評価

【感想】

 心理学(ただし児童心理学)を専攻していた知人の話を聞いていると、人間誰しも異常なんじゃないかと思いますが、それはともかくとして。

 本書は、一人の人物の中で、いくつもの人格が、一つの問題について、あれこれと葛藤するという内容になっています。ただ、どうなんでしょう。こういうことって、別に異常でもなんでもなく、普通にやっていることなんじゃないでしょうか。少なくとも、僕は、自問自答するときに、いくつかの立場を想定してみるということをやっています。

 結局、何が異常かということが問題なのではなく、スタンダードが見えにくくなっていることが問題なのかもしれません。落ちもいまいち弱いですし。少なくとも、いつもの寿ワールドを期待していると、ちょっと物足りない。


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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2000.05.05 $