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モノ欲しい女

著者酒井順子
タイトルモノ欲しい女
出版社集英社文庫出版年2000年価格400
評価★★

【感想】

 男性の中には、全く役に立ちそうにないものを買ってきて一人で満足するという悪い癖を持つ人がいます。例えば、僕の友人には帆船の模型を作るのが趣味という人がいます。同性の僕の目から見れば、彼の趣味は非常に洗練されていると思いますし、基本的に細かいことが苦手&根気がない僕としては、「模型の帆船作りが趣味」というのは、正直うらやましくも思います。また、別の友人は、旅行先で見つけたステッカーを集めて、トランクに張り付けることを生き甲斐にしている人もいます。これなんかも、僕からすれば、非常にいい趣味だと思います。ちなみに、僕はと言うと、インチキ手品の小道具とか、露店で売っている一体何の役にたつのかよくわからない物品とか、そういう怪しげなものを見つけると、ついつい買ってしまって、後で思いっきり後悔していたりします。

 僕の例は、ちょっとひどすぎるとしても、帆船にしろ、ステッカーにせよ、男性は、生活する上で実用的でないものを買って喜ぶという悪癖があると言わざるを得ません。

 そこへいくと、女性は、基本的に実用的なように僕には思えます。洋服やバッグにはじまり、ぬいぐるみでさえ、安眠剤として使っているのだそうで、男の子がプラモデルを集めるのとは、わけが違うのだそうです。

 例えば、以前、やたらと湯飲みにこっている知人がいました。彼女は、陶器市に出かけると、「この出っ張っている部分がいい」とか、「この色が渋い」などと言っては、買いあさり、彼女の荷物持ちとして、しばしばかり出されたものです。

 ただ、どうなんでしょう。結局、買ってきたものをほとんど使わないという点では、どちらも五十歩百歩だという気がするのですが。

 ちなみに、男性版としては、原田宗典の『こんなもの買った』があります。


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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2000.05.14 $