著者 | マルクス・アウレーリウス | ||||
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タイトル | 自省録 | ||||
出版社 | 岩波書店 | 出版年 | 1991年 | 価格 | 777 |
評価 | ★★ |
マルクス・アウレリウス・アントニヌスは、古代ローマ帝国のいわゆる五賢帝時代の最後の皇帝です。
彼の治世は、当時の人々が蛮族と呼んだゲルマン人の帝国領への侵入が活発化した時代であり、皇帝としての多くの時間、彼は戦場にいました。その一方で、哲人皇帝と称されるようにストア哲学への造詣が深く、本書はストア哲学者としての実践書となっています。
彼は自分の責任と義務を理解し、なおかつ自分に与えられた権限を濫用することもなく、最後まで節度ある地位の使い方をした統治者として、及第点以上を与えられる数少ない皇帝の一人です。また、皇帝としての多忙な日常業務の傍ら、哲学への興味を持続しえたことも、僕のような人間には真似のできないことだと思います(実際、最近、グローバルモデリング方面もフランス革命史方面も、ほとんど止まっていますし……)。
以上のように高く評価しつつも、きっと同じ時代に生まれたとしても友達にはなれないだろうと思います。何しろ、
明けがたに起きにくいときには、つぎの思いを念頭に用意しておくがよい。「人間のつとめを果たすために私は起きるのだ」(5-1)
と言い切れるだけの寝起きの良さを僕は持ち合わせていないので……。