著者 | エッサ・デ・ケイロース | ||||
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 縛り首の丘 | ||||
出版社 | 白水社 | 出版年 | 1996年 | 価格 | 1800 |
評価 | ★★ |
ここ最近、大人のための童話が流行しているようですが、本書は大人のためのメルヘンです。
表題作『縛り首の丘』は、片思いの人から呼び出しの手紙を受け、喜び勇んで駆けつける途中、縛り首にされた罪人の死体から声をかけられるという、お世辞にも気持ちがいいとは言えないシチュエーションを元に話が進んでいきます。
また、もう一方の『大官を殺せ』は、呼び鈴一つならせば一生遊んで暮らせるだけの大金が手に入る。ただし、遠い異国の見知らぬ中国人の命1つと引き替えに。という悪魔の誘惑に負けて呼び鈴を鳴らしてしまったポルトガルの小役人が罪の意識に耐えられず、自分が殺してしまった中国の大官の遺族を捜しに行くという話です。
どちらの話も、今の小説になれているとあまりにもストレートなのに驚かされてしまいますが、たまにはこういう本もいいのでは?