著者 | ロナルド・リチャード・バーツ | ||||
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タイトル | エディソン郡のドブ | ||||
出版社 | 扶桑社 | 出版年 | 1994年 | 価格 | 1200 |
評価 | ★ |
例の作品のパロディです。
とは言うものの、あまり面白くありませんでした。僕が原作を読んでいないということを差し引いても、ちょっとどうかと思います。
いいパロディの条件は、などと大上段に構えるのは僕の趣味ではないので、僕の好きなパロディの条件。
以上の点から言えば、本書は残念ながら僕の好きなパロディ作品にはなりません。
第1に、原作の持つずれた部分は、このパロディ作品でもそのままになってしまっています。この場合、登場人物の年齢をずらしてみるとか、夫のいない時間を短縮してみるとか、いろいろと手はあったはずです。でも、そういう根本的な部分には一切手をつけていません。もったいないなと正直思います。
第2に、読者を笑わせるために、あまりにも文章がはしゃぎすぎています。これは絶対に損です。すでにパロディ作品だと認識し、どうやって笑わせてくれるのだろうと身構えている読者に対して、いきなり、さあ笑えとばかりの文章を提示されても、笑えないものです。うまいお笑い芸人なら絶対にそんなことはしません。笑おうと身構えている観客に対しては、まず落ち着いた口調で落ち着いた内容を話し出し、肩すかしをしてから畳みかけてくるものです。
そして何より、そもそも原作ってパロディに耐え得るほどの内容があったのでしょうか。この点を書くとあまりにもミモフタもないことになってしまうので、これ以上は書きませんけれど。