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著者 | ジョウゼフ・コンラッド | ||||
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タイトル | 海の鏡 コンラッド海洋エッセイ集 | ||||
出版社 | 人文書院 | 出版年 | 1991年 | 価格 | 2060 |
評価 | ★★★★ |
僕が尊敬している人物の一人に、仕事を勤め上げ今は悠々自適に好きな絵を描いて暮らしている人物がおられます。この方が好んで描くのが帆船の絵です。
この方に限らず、一部の人にとって「帆船」は特別な存在のようです。
本書は帆船が主役であった古き良き時代としか言いようがない、本当によかった時代のエッセーです。
著者は、道楽や趣味ではなく仕事として帆船に乗り込み、数々の航海を経験した人物で、実体験に基づく帆船の気むずかしさ、優雅さを描いています。それは同時に海の厳しさと官能的な魅力にもつながります。
懐古趣味、あるいはラッダイト運動とは無縁でいたいと常日頃思っている僕のような人間でも、本書を読んでいる間は素直に日頃眠っている船乗りの血がよみがえってくるのを心地よく感じていました。
海洋小説がお好きな方にはお薦めの一冊です。
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