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著者 | J.クーパー・ポウイス | ||||
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タイトル | 孤独の哲学 | ||||
出版社 | みすず書房 | 出版年 | 1977年 | 価格 | 1800 |
評価 | ★★★★ |
学問としての「哲学」ではなく、考える指標としての哲学書です。
もちろん、哲学である以上、しかも、考える指標としての哲学である以上、この本に書かれている内容を、そのまま鵜呑みにする必要はないでしょう。そのことはポウイス自身、
「自分の哲学は、自分の独自の経験から、自分で作り出さなければならない」
と指摘している通りです。
とは言うものの、誰もが「哲学」できるわけではないと僕は思います。足の速い人がいれば、足の遅い人もいるのが事実のように、哲学的思考が得意な人がいれば、そうでない人もいて当然だと思います。同時に、僕は車の車輪を何度も発明する必要もないと思っています。そういう意味で、僕は他人の哲学を参考にすることは必要なことだともいます。
そう考えた場合、ポウイスの「孤独の哲学」は、僕にとってはあまりにも寂しすぎると感じました。
もちろん、孤独であることこそ幸福であると考える思想は、今の僕達に必要だと思います。ただ、それはなにも隠棲することもないでしょうし、心の壁を築くことでもないし、自分を他者の中に溶け込ませることでもないと、僕は思います。もうちょっと肩の力を抜き、世の中のありとあらゆることを楽しめること、僕が必要としている哲学は、そういう方向なのだと思います。ストイックではなく、エピキュリアンでありたいと僕は思います。
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