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システム哲学入門

著者アーヴィン・ラズロー
タイトルシステム哲学入門
出版社紀伊國屋書店 出版年1980年 価格1600
評価★★★★

【感想】

 僕は学生時代、法学部の法律コースに籍を置いていました。その中で、国際法というマイナーな分野のさらに国際公法という社会に出てから何の役にも立たない分野を専攻していました。さらに、その国際公法の中でも国家主権の自国内における制限をテーマに卒業論文、修士論文を書いたわけで、その当時からマイナー路線を突っ走っていたわけです。

 公式上は、僕の大学生活は以上の通りなのですが、半非公式に、「国際地域研究所」という怪しげな研究室に出入りしていたことも事実だったりします。法学部の学生のくせに、3回生から大学院時代にかけて法学研究科のある建物より、後者の方に入り浸っていたような次第でして、自分で言うのもなんですが、まっとうな法学部の学生ではありませんでした。

 その国際地域研究所で、何をしていたかというと、グローバルモデリング論というのをやっていたわけです。このことを話せば長くなるのですが、乱暴にいってしまえば、伝統的には、国家を一つの行為者として想定した伝統的な国際政治学に、政府、政党、行政機関等の統治機関だけでなく、産業界、民間団体などの様々なアクターが様々なレベルで意思決定に影響力を行使しているとする国内政治学の成果を国際政治学にフィードバックできないかというようなことをチマチマと研究していたわけです。

 ただ、この考えを突き詰めていくと、個人の問題へとたどりつかざるを得ないのですが、ここで例の「個をいくら集めても全体にはならない」という問題に行き当たるわけです。  本書はまさにそうした「個の振る舞いの集合ではなく、組織としての振る舞いこそ検証すべき」という内容になっています。原題は『システム論的世界観(The Systems View of the World)』となっていますが、システム論に関する入門書として最適です。

 確かに、説得性、妥当性があるのだけど、僕にとっては分析性に欠けるように思えて仕方ありません。

 などなど、久しぶりに学生時代に帰って勉強していたわけですが、この続きを次いつやれるかは全くの未定です。


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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2002.02.26 $