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著者 | パトリック・ドゥヴィル | ||||
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タイトル | 花火 | ||||
出版社 | 白水社 | 出版年 | 1994年 | 価格 | 1800 |
評価 | ★★★ |
トゥーサンからの流れで読み始めた『花火』。これはこれで、いいかも、と思っています。
話そのものは、男二人と女性一人の非常にまったりとした関係を描いています。ヒロインは、万引きしたり、突然テレビを壊して食器皿をぶち込んでみたり、男装して女性に乱暴したりと、かなり電波入っています。追いかける男性も、それなりに電波入っているようです。
とは言うものの、本来ならドロドロでダラダラな小説になってしまうところを、ドゥヴィルは、ヒロインの感情を心情描写をせずに淡々とした乾いた筆致で巧みに表現しています。これが柳美里なら、より直接的な表現になるのでしょう。好き嫌いはもちろん人それぞれだとは思いますが、僕はドゥヴィルの手法の方が好きです。
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