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著者 | マーティン・ミラー | ||||
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タイトル | ミルクから逃げろ! | ||||
出版社 | 青山出版社 | 出版年 | 2002年 | 価格 | 1600 |
評価 | ★★★★★ |
これ、映画で観たいなぁというのが、読書中の感想。それも、監督や脚本家やプロデューサなんかが尺の都合やなんやかやで切ったり伸ばしたりしていない、原作そのままの映画を観たいと思ってしまいました。
物語は、牛乳アレルギーに気が付いた主人公が、そのことを知人に話したところ、あれよあれよと話が広まり、全英中で隠れ牛乳アレルギーの人々がカミングアウトしたことから、牛乳の売上げが下がってしまい、事態を重く見た業界団体から暗殺の標的にされてしまうところから始まります。
もうこの時点でスラプスティックな展開が充分期待できるのですが、その期待に反せず、事態はどんどんスラプスティックになっていきます。
何しろ主人公ときたら漫画オタクで、スピードの配達人で、なおかつ被害妄想。さらに脇役も、レズビアンのカップル、瞑想するゲーマー、謎の中国人、美人の暗殺者、年老いた考古学者と、これまたおかしな人ばかり。もうこうなると、スラプスティックな展開以外ありえません。
ラストの大団円(?)も、ありがちと言えばありがちなのですが、それはそれで映画的にはOKかもしれません(あるいは吉本新喜劇的)。
それにしても、イギリスと言えば紳士の国と思われがちですが、モンティパイソンなんかの例もあるように、スラプスティックをやっても結構面白いものをひねり出してくるので目が離せません。『ミルクから逃げろ!』は決して万人向けではないものの、好きな人ははまるのではないでしょうか。少なくとも僕はミラーにはまりそうです。
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