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著者 | ヤロスラフ・ハシェク | ||||
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タイトル | 不埒な人たち ハシェク風刺短編集 | ||||
出版社 | 平凡社 | 出版年 | 2002年 | 価格 | 1800 |
評価 | ★★★ |
チェコの代表的な作家と言えば、チャペック兄弟が真っ先に出てくるのですが、このハシェクもチェコを代表する作家なのだそうです。不勉強な僕は、ハシェクを知りませんでしたが、確かに面白いです。
チャペックが、典型的なインテリゲンチャなのに対して、ハシェクは無頼派と言いますか、どこか怪しい、インチキ臭い魅力がたまりません。
実際、ハシェクの経歴自体、既存の政党を茶化すためだけに自ら政治結社を設立してみたり、どこまで本気なのかよく分からない研究所を作ってみたりと、よく言えば波瀾万丈、悪く言えば山師っぽい要素が一杯です。生き方そのものがパロディ的なわけで、僕もひそかにいつかはやってみたいと思っていたことだったりします。そのほとんどが志し半ばで撤退を余儀なくされている点も、僕のような人間には好ましく感じます。
そんな、インチキ詐欺師の魅力一杯のハシェクの短編集が本書です。当然、非常にアヤシイ話が多いです。また、チャペックのエッセーが、ある種の余裕から生まれる肩の力を抜いた作品が多いのに比較して、ハシェクの短編は、愚痴を言っているときは目一杯力を込めて愚痴を言っているのだろうなとか、目一杯からかってやろうと思っているななど、ストレートで分かりやすいです。
僕自身は、どちらかといえばチャペックのような肩の力を抜いた作品の方が好きなのですが、たまにはこういう直球勝負な作品もいいかもと思ってしまいました。
とりあえず、政党ごっこは面白そうです。
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