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著者 | エドワード・ケアリー | ||||
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タイトル | 望楼館追想 | ||||
出版社 | 文藝春秋 | 出版年 | 2002年 | 価格 | 2571 |
評価 | ★★★★★ |
今、読み終わったところなのですけれど、この興奮をどう伝えればいいのかわかりません。
すごく面白かった。
思いっきりボキャブラリーの無さを露呈していますけれど、本当に面白かったです。これくらい夢中になって読んだのは、ヴォネガット以来かもしれません。
とは言うものの、最初はそんなに期待していませんでした。本屋で手に取ったときも、「ここのところ、技術書とか仕事関係の本が多かったから、たまには小説でも読んでおくか」くらいの軽い気持ちでした。その後、500ページの大部&プライベートでちょっとバタバタしていたこともあって、買ってからも1ヶ月ほどほったらかし状態でした。
ところが。
実際に読み始めてみると、面白いこと、面白いこと。500ページなんてあっというまでした。巧みなプロット、魅力的な登場人物、脇道へのそれ方のうまさ、本当にすごいです。
やや批判的な口調になってしまいますが、最近の小説の多くが売れれば第2作を目指しているのか、最初に広げすぎた複線を消化しきっていないものが多い中、本書は、これでもかというくらい複線を張っておきながら、最後には無理なく一本の糸に結びつけいます。このプロットのうまさは、最近僕が読んだ小説の中ではピカイチです。
さらに、非常に癖のある登場人物も、決してステレオタイプに陥らずに、絶対にお友達にはなりたくないものの、非常に魅力的な人物として描ききっています。
とにかくお勧めです。本屋でその厚さに気後れして迷っておられる方は、是非だまされたと思って買ってみてください。読み終えたとき、500ページの小説を読んだという疲労感は全くないはずです。
本当に、これすごいです。
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