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著者 | ドナルド・バーセルミ | ||||
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タイトル | 罪深き愉しみ | ||||
出版社 | 彩流社 | 出版年 | 1995年 | 価格 | 2200 |
評価 | ★★★★★ |
好き嫌いは個人の勝手。僕がどんなにつまらないと思うものでも、面白いと思う人がいても全然不思議ではないし、僕がどんなに面白いと思うものでも、箸にも棒にもかからないと思われる人がいるのも当然でしょう。むしろ、好き嫌いだけの判断基準で物事を評価するのは自由だとしても、それを人に伝えるのはどうかと思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
なんてことを言っている舌の根も乾かないうちに恐縮ですが、
これ面白いです!
いや、ホント、どこかで本書を見かけられたら、だまされたと思って少し立ち読みしてみてください。本当に面白いです。この面白さを、誰かに伝えたいと思うものの、自分の文才のなさで伝えられないもどかしさを感じつつ、この読後感想を書いているのですが、もう本当に面白いです。
万人向けではないことは確かなのですが、その一方で、たとえあなたが写実画を好む人でも、抽象画を好む人でも、どちらでも楽しい知的な興奮を感じられるのではないかと思います。
冒頭、バーセルミはこんな口上から始めます。
パロディを書くことは一般に弁解がつきものである。というのもパロディは文学活動の格付けのなかで、盗作より辛うじてやや上位にある不面目な活動であるからだ。最小限要求されることはパロディの対象が世間周知のものであるということである−いわば17世紀オランダのチューリップ栽培の熱狂的流行のように。これによってパロディストは己のしている仕事は有益なものだという贅沢な実感が得られるのだ。
この確信犯ぶりだけで、少なくとも僕はワクワクします。とにもかくにも今、僕は興奮しています。面白いです。全然感想文になっていませんけれど、どこかで見かけられたら、是非手にとって読んでみてください。本当に面白いです。
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