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子ども諸君

著者ダニエル・ペナック
タイトル子ども諸君
出版社白水社 出版年2000年 価格2200
評価★★★★★

【感想】

 奇想天外といえば奇想天外な話なのだけれど、久しぶりに物語らしい物語を読んだ気分になっています。

 「子供が親になり、親が子供になったら」という作文の課題を書いているうちに、作文の内容が現実になっていくという基本的なコンセプトは、普段の日常が、どんどん異常な事態になっていくペナックお得意の手法で、「そんな馬鹿な」と思ういとまもなく、読者を物語に引き込んでいきます。この辺は本当にうまいです。

 文学はリアリズムだけではなく、この種の倒錯というか、ファンタシーもありなのではないかと思います。

 まだまだ日本では、文学といえばリアリズムを高尚と考えがちのようですが、「イマジネーションとは、でまかせではない」というクラスタンの言葉を、今一度思い出してほしいなというのが、今回の感想です。


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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2003.08.10 $