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著者 | 森村誠一 | ||||
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タイトル | 『大奥情炎』人間の剣 江戸編2 | ||||
出版社 | 中央公論社 | 出版年 | 2004年 | 価格 | 648 |
評価 | ★★ |
相変わらず本星をあげられない無銘剣。どうも妖剣というよりも、狂言廻しとしか思えない今日この頃。なまくら刀とは思わないのですが……。
ともあれ、本書を読んでいて頭に浮かんだのが、川原正敏の『修羅の刻』シリーズだったりします。
確かに森村版通史が、あくまでも通史であることにこだわっているのに対して、川原版は、陸奥圓明流が活躍できそうな時代をチョイスしているわけで、必ずしも通史にこだわっているわけではないのですが、手法としては案外こちらの方がうまいのではないかと思います。
無銘剣も陸奥圓明流も、どちらも歴史そのものに対しては、無力というか、決定的な変更を与えないのですが、川原版の方が、陸奥圓明流を歴史的な事件のサイドストーリー的な場面で使うのため、間接的に歴史に影響を与えた雰囲気を出せています。
この1点だけで全ての評価となるわけではないのですが、プロットの技術としては、小説家だから漫画家だからという時代はとっくに終わっているのでしょうね。
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