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著者 | 佐藤大輔 | ||||
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タイトル | 家康謀叛 信長新記3 | ||||
出版社 | 徳間書店 | 出版年 | 2004年 | 価格 | 533 |
評価 | ★★★★★ |
古くからの佐藤大輔ファンならご存じの通り、今回の『信長新記』シリーズは、過去何度か改題されて出版されていたものを再び改題して出されたものです。もしかすると、細かな部分に関して加筆訂正があるのかもしれませんが、基本的なプロットは変わっていません。
過去に出版された時も、ここまではきちんと書かれているのですが、問題は、この先はまだ書かれたものが出版されていないということです。
まだ読んだことがない方のために粗筋を書いておくと、
となっています。
他の「信長が本能寺の変を生き延びたら」という if ものと違う点は、本シリーズでは、当時のヨーロッパがアジアへの進出をねらっている点をふまえ、信長であればスペイン、オランダ、イギリスに対抗しうるのではないか、場合によってはアメリカ大陸の歴史も変わったものになるのではないかという点にまで言及している点です。日本史を題材にしつつ、世界史としてのトピックスにもふれている辺りは、さすがとしか言いようありません。
とは言うものの、あえて批判的なことを言えば、あまりにも大風呂敷を広げすぎてしまっているのか、完結するシリーズが少ないです。ストーリーが面白い分、余計にフラストレーションたまってしまいます。しかも、一つのシリーズが完結していないのに、併行して別のシリーズが始まってしまったりするわけで、ファンとしては、新しいシリーズが読めるという嬉しさと、今まで続いているシリーズの続きを読めるのがまた先になってしまったというガッカリ感とで、本当に悩ましいです。
僕自身は佐藤氏の文体が好きなので、新しい本(たとえそれが旧版のリニューアルだったとしても)は、ついつい購入してしまっているのですけれど。
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