|Home / 読後感想 | |
著者 | マーク・ローランズ | ||||
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 哲学の冒険 「マトリックス」でデカルトが解る |
||||
出版社 | 集英社 | 出版年 | 2004年 | 価格 | 2800 |
評価 | ★★★★★ |
「いいところに目をつけたなぁ」というのが読み始めた直後の感想。
本書は、副題にあるとおり SF 映画を題材にして哲学的なテーマを解説しています。
哲学史の教材として、言い換えれば、知の変遷(大袈裟な言い方ですけれど)を知るための資料としての使い方には不向きですけれど、今日現在、僕たちが意識的・無意識的にどのようなことを問題としてとらえていて、哲学の世界からどのようなアプローチがあるのかを、ざっとおさらいするためには、安直本よりもずいぶん優れていると思います。
哲学は、大学の先生が難しい顔をして研究するものではなく、ローランズも書いているように、
哲学とは「知る」ことではなく「する」ことに関する学問
だと僕は思います。その際、車輪の再発明をする必要は全くなく、先人達が考えてきたことを参考にすることは大切なことだと思いますが、それはあくまでも参考であって、大切なのは自分で考えることだと思います。
もちろん、日々の生活を送る中で、なかなか哲学的に物事を考える時間を作ることは難しいと思います。そんな中、ぼーっと哲学的思考にふけるきっかけには、本書は最適だと思います。あと、映画のガイドブックとしても(SF限定ですけれど)、良書です。
|Home / 読後感想 | |