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著者 | ラート=ヴェーグ・イシュトヴァーン | ||||
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タイトル | 書物の喜劇 |
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出版社 | 筑摩書房 | 出版年 | 1995年 | 価格 | 1900 |
評価 | ★★★ |
読みながら頭の中に思い浮かんだのは、ボルヘスの『伝奇集』でした。
もちろん、本書『書物の喜劇』は、おそらく実在した様々な書物に関するエピソードが書かれています。一方、ボルヘスの『伝奇集』は架空の書物に関する批評集という体裁をとっています。両者は全然違うのですが、しかし、遠い極東アジアの僕にとっては、本書で述べられていることの、どこからどこまでが本当で、どこからどこまでが創作なのか、まったく見当がつかないわけです。その意味でどちらも同じくらい「疑わしい」(いい意味で)わけです。
ともあれ。
書物に関すること、あるいは書物にまつわる人々の奇妙な事柄を取りそろえた1冊になっています。原書はかなりのボリュームがあるとのことで、本書はその抄訳になっているわけですが、それでもこれでもかというくらいの蘊蓄でいっぱいです。
知っていたからといって、特にどうということのないことばかりですけれど、でも、読んでいる間は楽しい気分になれます。少なくとも本好きなら。
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