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著者 | アルフォンス・アレー | ||||
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タイトル | 悪戯の愉しみ |
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出版社 | みすず書房 | 出版年 | 2005年 | 価格 | 2400 |
評価 | ★★ |
皆さんはイタズラがお好きでしょうか? 僕は大好きです。イタズラを仕掛けるときの、あのワクワクする気分。相手が引っかかってくれるかどうか見守るときの、ドキドキする気分。そして気づかれたときの、何とも言えない照れくささ。考えるだけでも楽しい気持ちになります。もっとも、お察しの通り、どうも僕はイタズラが好きな割には、滅多に成功することがないのが難点ですけれど。
ともあれ。
本書には他愛ない「イタズラ」ではなく、「悪戯」という文字がピッタリなブラックで、時に残酷な内容の短編が数多く収められています。その意味では好き嫌いが分かれるかもしれません。僕は苦手でした。
本書の悪戯の仕掛け人は、おそらく引っかかった相手の背後で冷笑を浮かべているのだろうなと感じてしまい、あまり楽しい気分にはなれませんでした。
とはいうものの、人間って必ずしも善意だけの存在ではありませんし、明るい部分だけで生きている人も滅多にいません。表面化するしないは別にして、どこかに暗くて陰惨な部分を持っているものだと思います。そうした嫌な部分を直視すること。その上で、その暗い部分に蓋をしたり、あるいは切り落としたりするのではなく、そういうものだと納得すること。多分、それが必要なのだと思います。
とはいうものの。
やっぱり僕はちょっと苦手。
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