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著者 | マルタン・パージュ | ||||
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タイトル | 僕はどうやってバカになったか |
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出版社 | 青土社 | 出版年 | 2003年 | 価格 | 1900円 |
評価 | ★★★★ |
本書の主人公は、何事につけ、党派的であることを嫌う性格の持ち主です。A か B かと訊かれれば、A の良さと悪さ、B の良さと悪さ、それぞれが気になってしまい、結局、答えを出せない、そんな人物です。優柔不断といってしまえばそれまでなのですが、でも、どうなんでしょう。決断すると言えば、聞こえはいいですが、実際には、決断という名の下に思考を停止しているだけのケースが多いのではないでしょうか。
ともあれ、そんな主人公が、バカになっていく過程を描いている『僕はどうやってバカになったか』。勘のいい人ならお察しの通り、本書での「バカ」とは、世間一般で言う成功者、バカになっていくとは、成功者になることと同義となっています。
テーマ自体は、古代ギリシア時代から何度も繰り返されていることですが、ちょうど日本では小泉チルドレン組のいわゆる「成功者」達が大きな顔をしている今日この頃。成功することにしゃかりきになったり、成功者に対してやっかむ前に、ちょっと立ち止まって、引いてみませんか? なんてことを思ってしまいがちな人は楽しく読めると思います。
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