|Home / 読後感想 | |
著者 | マリオン・ウィニク | ||||
---|---|---|---|---|---|
タイトル | お弁当箱クロニクル |
||||
出版社 | 白水社 | 出版年 | 1999年 | 価格 | 1800円 |
評価 | ★★ |
34歳(今年35歳)独身。こんな人間が偉そうなことは全く言えないのですが、子供を育てるのって、本当に大変なんでしょうね。時として発生する子供に対する事件を聞くたびにそう思います。
実際、大人なら聞き分けてくれるはずのことも、子供は聞き分けてくれませんし、大人への優しさなんてかけらもありませんし、そもそも大人との意思疎通ができているかどうかも怪しいものです。そんな子供と正面から向き合わなければいけないなんて、僕なんかは本当にお手上げな気持ちになってしまいます。
そんな子供を母親一人で育てておられるウィニクさんの子育てエッセーが本書です。同じような境遇の方にとっても、また、シングルマザーでない方にとっても、励まされる内容になっているのではないかと思います。
ただ、気になるのは、この種のエッセーを書ける人というのは、やっぱり特別な才能の持ち主なのだろうなということです。
ウィニクさんは、確かに子育てを楽しんでおられます。時に子供達を叱りつけたり、あるいはまた八つ当たりをしつつも、2人のやんちゃ盛りの子供達を心の底からいとおしく思われています。
ウィニクさんが書かれていることは、ウィニクさんにとって、嘘偽りない正直な内容なのだろうとは思います。
しかし、やっぱり本書に書かれていることは、幸福な数少ない例外なんじゃないかなと思います。普通はこんなに聞き分けの良い子っていないと思いますし、こんなに頭のいいお母さんもいないのではないでしょうか。
ごくごく普通の人が、ごくごく普通に子育てをしている。そんな日常のありふれた様子を描いたもの。ブログなどの赤裸々なもの。今必要なのは、もしかするとそういうものなのかもしれませんね。
|Home / 読後感想 | |