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著者 | 有川浩 | ||||
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タイトル | 図書館戦争 |
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出版社 | メディアワークス | 出版年 | 2006年 | 価格 | 1600円 |
評価 | ★★ |
昔懐かしい少年ジュブナイル
それが読後の最初の感想でした。
本書は、公序良俗に反する情報を取り締まる名目により検閲が自由に行われている社会で、表現の自由を体現する最後の砦として図書館員が頑張るという内容になっています。筒井康隆の『銀齢の果て』と同様、政府公認の下、銃器を使用した武力闘争が行われている社会というブラックな設定です。状況設定だけで言えば、非常にスラップスティックな内容になるのでしょうが、「ジュブナイル」という印象を受けてしまったのが、主人公の設定です。
主人公の女性は座学はからっきし、銃の扱いもダメ、若干、天然ボケ、でも度胸と足の速さは抜群。こんな感じになっています。この主人公の成長過程も描こうとしているため、スラップスティックな状況が一転して、なんだか甘酸っぱい青春小説になっています。正直に言えば、すっかりすれてしまった僕のような人間にとっては、ちょっと気恥ずかしさの方が先に立ってしまっています。
もっとも、ターゲット層は僕の世代ではなく、20歳未満のようなので、こればっかりはお門違いな要望なのでしょうけれど。
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