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著者 | G.フロベール | ||||
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タイトル | フロベールのエジプト![]() |
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出版社 | 法政大学出版局 | 出版年 | 1998年 | 価格 | 3500円 |
評価 | ★★★★★ |
フロベールと言えば、『ボヴァリー夫人』が有名ですが、本書はその『ボヴァリー夫人』を書き始める直前に行った中東旅行の中からエジプトの旅を取り上げたものです。
感受性豊かな若者らしい旅行記になっていて、読んでいて楽しいです。
35歳にとっては、すごく率直な感情が吐露されていたりして、僕自身の20代の頃を思い出して、時々照れくさくなってしまいます。
加えて19世紀中頃のエジプトの風俗が実に活き活きと描かれており、僕自身が当時のエジプトに旅行したことがあるような錯覚に陥ります。
風景描写、心情描写、共に精緻な筆致。この辺は写実主義の代表としてのフロベールならではだと思います。
とにもかくにも、思っていた以上に性的な描写が多くて、フロベールの姪っ子さんが削除したくなった気持ちも分かるな〜と思いつつ、楽しく読めました。
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