|Home / 読後感想 | |
著者 | クリスチャン・グルニエ | ||||
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 水曜日のうそ |
||||
出版社 | 講談社 | 出版年 | 2006年 | 価格 | 1400円 |
評価 | ★★★ |
短編映画で観てみたいなと思った1冊。
フランス。核家族。おじいちゃんは近くに住んでいるものの基本的には別居。毎週水曜日の1時間だけ我が家にやってくる。その1時間は少し退屈な時間。おじいちゃんは、毎回同じ話を繰り返し、息子であるお父さんは、そんな父親に少しうんざり。孫娘である主人公は、そんな父親に軽い反感を覚え、おじいちゃんの肩を持つ。毎週繰り返される他愛ない光景。
そんなある日、急にお父さんの転勤が決まり、街を離れることになります。物語はここから始まります。
引っ越しを喜ぶ両親に対し、主人公は抵抗します。せっかく仲良くなれそうなボーイフレンドと別れなければならないし、なによりおじいちゃんをどうするの!
そんな主人公に対し、父親はこんな説得をします。おじいちゃんの歳になると、見知らぬ街で暮らすのは大変なことだ。それよりも長く暮らしてきたこの街で、今まで通り一人で暮らす方が、おじいちゃんのためだ。こうしよう。おじいちゃんがやってくる毎週水曜日の1時間。その時間だけ、この街に帰ってくるようにしよう。そうすれば、おじいちゃんにとって、何も変わらない生活が続く……。
こうして家族にとって新しい生活が始まります。水曜日の1時間は、祖父に対する優しい嘘。一方、おじいちゃんのほうでも……。
こんな感じの内容になっています。本当に優しいです。この優しさは、今の僕にとっては、ちょっと辛いわけで……。すれてしまったなと思う瞬間。
|Home / 読後感想 | |