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著者 | カート・ヴォネガット | ||||
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タイトル | デッドアイ・ディック |
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出版社 | 早川書房 | 出版年 | 1998年 | 価格 | 760円 |
評価 | ★★★★ |
いろんなところで書いていますけれど、僕の文体について、一番影響を受けたのが、ヴォネガットさんです。正確に言えば、ヴォネガットさんの作品を翻訳している浅倉久志さんの文章のテンポに憧れています。
もうヴォネガットさんは天国におられるので、新作は永遠に読めなくなったわけです。ヴォネガット・ファンとしては、こうして旧作を読み返すしかないのが、本当に寂しいところです。
ともあれ。
本作は、少年時代にふとした失敗から殺人を犯してしまった人物の自伝という形式をとっています。話そのものはすごく悲しく、まさに悲劇としか言いようがないものなのですが、ヴォネガットさんが書くと、そこはかとない暖かなユーモア感が漂ってくるのが不思議です。
まだヴォネガットの作品に一度も触れたことがないという方にはお勧めできませんが、ヴォネガットに興味を持って何冊か読んだよと言う方には、外せない作品の一つだと個人的には思っています。
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