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著者 | 岸本佐知子 | ||||
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タイトル | ねにもつタイプ |
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出版社 | 筑摩書房 | 出版年 | 2007年 | 価格 | 1500円 |
評価 | ★★★ |
岸本さんと言えば、僕の中ではベイカーの翻訳者です。ベイカーの作品の持つ、柔らかい優しさを僕が楽しめるのも、岸本さんの訳があるからと言っても過言ではないと思っています。
本書は、その岸本さんのエッセー集です。
エッセーらしく、日々の日常の出来事や、思いついたこと等、まさに徒然なるままにといった感じで書きつづっておられます。
目の付け所や、日常生活の中での思考の脱線など、決して奇抜ではないものの、普通は「そういうもの」と割り切って見過ごしてしまうことを顕微鏡的に拡大して話をふくらませていく展開はすごく楽しいです。
この岸本さんの顕微鏡的な視点は、ベイカーの『室温』や『フェルマータ』、『もしもし』に通じるものがあります。その意味で、訳すべき人が訳したと改めて実感しました。
ベイカー好きの方にはお勧めの1冊です。
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