05.02 : コンサート
05.05 : 戦え!サラリーマン
05.07 : 珍客
05.08 : 猫や
05.09 : フィオナ・アップル
05.14 : 迷子
05.15 : 腸弱
05.24 : リンゴかわいや
05.30 : 買い物
05.31 : 墓参り
フィオナ・アップルだ!
いつものように職場で新聞を読んでいると、フィオナ・アップルのコンサート情報が載っていました。フィオナ・アップルだぜ。場所は中野のサンプラザホール。東京に出てきて良かったと思うのはこういう瞬間です。
問題は日程です。5月の8日と9日。月曜日と火曜日か。
月曜日は、ほぼ終日会議が入っています。途中で抜け出すことは、ちょっとできそうにありません。火曜日は、夕方から人と会う予定になっています。さすがにこれを放棄するのは、いくらちゃらんぽらんな僕でもどうかと思います。そうするとやっぱり、月曜日の会議をさっさと切り上げる方法を考える方が、現実的なようです。だいたい会議なんて、短い方がいいに決まっています。だらだらと長くやった会議でロクな結論が出ることなんてありません。ちゃっちゃと決めることを決めて、さっさと終わらせるに限ります。
ただ、10人集まると必ず、だらだらとくだらないことを話し始める人間が1人は混じってしまうものです。実際、駄目な会議の典型例は、こうした無駄口をたたきたがる輩をいかに封じ込めるかということに他の出席者が全勢力をつぎ込んだあげく、本来の会議の目的を見失ってしまうというものだったりします。
愚痴はともかく。
会議を早く切り上げる方法は、
ここまでが、どちらかというと議長の資質によるものだとすると、普通の参加者がすべきことは、
ということが挙げられます。
今日は、フィオナ・アップルのコンサートに行きたいことが先行しているので、特に落ちはありません。
知人と年甲斐もなくゲームセンターに行って来ました。二人ともよる年波には勝てず、ダンス・ダンス・レボリューションなど、最近のゲームセンターの派手目なゲームには、「あんなん人前でようやらん」と手も足も出ず、完全に見物人と化しておりました。
ともあれ、それでもせっかくゲームセンターに来たのだから、なにかゲームをしようということになり、まず選んだのが、カーレースゲームでした。
ペーパードライバーな知人相手では、F1好き(ただし無免許)な僕としては負けるわけにはいきません。シグナルがレッドランプからグリーンに変わった瞬間、僕はアクセルを思いきり踏み込み、1つ目のコーナーをなんなくクリアーして、知人の前に出ました。フッ、フッ、フッ。だてに深夜F1観戦をして、月曜日の朝の会議に遅刻しているわけじゃないぜ(威張るな)。
が、しかし。
僕の余裕はそこまででした。第3コーナー。オーバースピードでコーナーに進入した僕のインプレッサは、あえなくスピンを喫し、その横を「ガードレールにぶつかろうが何しようが、とにかく走るんだ」走行を続ける知人の車が通り過ぎていきました。これでヘロヘロになった僕は、続く第4コーナーでも再びスピンをしてしまい、結局、二人とも1周もすることなくゲームオーバーになってしまったわけですが、それでも最終的に前に立っていたのは知人でした。
屈辱!
続いて我々が挑戦したのは野球ゲームでした。
松坂とイチローが同じチームだと思っていた知人 vs. 小学校以来の阪神ファンな僕。行け湯船! カーレースの恨みを晴らすんだ!
しかし、フライを捕れない&なぜかバックホームしてしまう野手に足を引っ張られた我らがエースは、1回表いきなり15点を献上し、事実上のコールド負け。なんたることか。
もはや後がない僕の目にとまったのが、
タイピング・ゲーム
でした。画面に出てくる単語をキーボードでタイプして、ゾンビをやっつけていく例のアレです。
現役サラリーマンの実力を見せてやる!
果敢に挑んだ僕は、まず1匹目のゾンビをあっさりと撃退。怪しげな洋館に突入した後も、群がるゾンビを撃退し、どんどん奥に進んでいきました。快調、快調。
タイピングの指も軽やかに勇敢に進撃を続ける我がエージェント。ちょろいっす。タッチタイプの鬼と呼ばれた(誰も言ってないって)僕の前に敵はいません。
などと調子こいていると、突然現れた蛙の群。
タッチタイプの腕前は十人並みの能力を持つ僕ですが、とっさの状況判断という点では、はっきり言って人並み以下です。ピョコピョコと飛び跳ねる蛙たち。その動きに惑わされて、要求されている文字を読みとれずにいると、あっという間にゲームオーバーになってしまいました。
後を受けた知人は、一子相伝の北斗神拳打ち(人差し指二本打ち)ながら、蛙を乗り越えていきました。
二人とも1面クリアすらできないという低レベルな争いとは言うものの、僕よりも前に進めたことで、知人は大変ご満悦な様子でした。悔しすぎ〜。
翌日、ドリームキャスト版を求めて、ゾンビのように秋葉原をさまよう29歳男性(独身)。変なところで負けず嫌い。
外出先から疲れた体を引きずるようにして帰宅した僕は、いつものようにポケットから鍵を取り出し、ガチャガチャと扉を開けました。
次の瞬間、黒い影がサッと僕の前を横切り、室内へと侵入しました。
なんだなんだ、と恐るおそる部屋に入り、電気をつけると、小さな猫が、部屋の中にちょこんと座っていました。
現在僕が住んでいるところはペット禁止です。猫がいることが見つかったら、普段の行いが悪いこともあいまって、たちまち追い出されてしまいます。とにかく外に出そうと、小猫を追いかけたのですが、狭い部屋の割には、猫はひらりひらりと身をかわし、捕まりません。
時間が遅いこともあり、疲れていた僕は、一晩ぐらいならいいだろうと猫をつかまえる作業をそうそうにあきらめてしまいました。
猫は、尻尾をゆらゆらと揺らしながら、悠然と特等席のクッションの上に座っています。そこは僕の席だからどいてくれと懇願しても、素知らぬ顔をして、のんびりとあくびなんかしています。猫にすら手玉に取られる29歳。それでいいのか、と自問自答をしつつ、とにかく猫を居着かせてはいけないと、猫の存在を無視することにしました。
ところが、そんな僕の気持ちを見透かしているかのように、猫は、声を出さないニャーンを2回ほど僕に見せつけました。たまらず、買い置きしてあったミルクを皿に注ぎ、恐る恐る猫の前に差し出すと、猫はぴちゃぴちゃとミルクをなめ始めました。可愛すぎる。
ミルクを飲み終えた猫は、ミャーと一声鳴き、アゴをなでてやるとゴロゴロとのどを鳴らしました。負けた、完敗っす。
猫は、まだ我家にいます。大家さんに見つかる前に自然に帰してやらないといけない。そう思いつつも、また今日もミルクを買い物かごに入れてしまったわけで、果たして僕は猫を追い出すことができるのでしょうか。それとも、僕がアパートを追い出されるのが先か。困りました。
灰色の短い毛に黒の縦縞。尻尾は長く、鼻はぺちゃんこ。これが、同居人の姿です。
5月5日の夜に我家にやってきた猫は、すでに自分のすみかのごとく室内を猫独特の優雅さで歩き回り、疲れたら特等席のクッションの上で眠りこけています。本来の住人であるはずの僕は、猫に座り場所を占拠され、板間で食事をとることを余儀なくされているわけで、29歳、本当にこれでいいのかと自問自答しています。
6日の夜は少々冷え込んだということもあり、猫はベッドの中に潜り込んできました。猫をつぶさないように、寝返りをうつことさえ神経を使わされるわけで、少々寝不足気味だったりします。
猫は次第に大胆になり、ゴミ箱をひっくり返して紙くずとじゃれたり、パソコンのキーボードにちょっかいを出したりして、人生を十分楽しんでいるようです。
猫語?
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ほうぇf
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それにしても、明日から、あたしゃ仕事だで。帰ってくるのは何時になるかわからんぞ。それまでどうする、と彼女の背中をなでながら話しかける僕に、猫は聞く耳を持たず、素知らぬ顔をして眠っています。
明日、迷い猫のチラシでも作って、電柱に貼ろうか。しかし、そもそも猫は首輪をしておらず、もともと野良猫なのかもしれません。いつまでも家に置いておくわけにはいかないし……。
8日の朝、僕が新聞を取りにドアを開けると、猫はサッと飛び出し、そのままコンクリートの壁を乗り越えて走り去っていきました。
夜、ひょっとしたら猫が戻ってきているかもしれないと、フィオナ・アップルのコンサートに行かずに帰宅したわけですが、やはり猫の姿はありませんでした。
たっしゃに暮らせよと思いつつ、少しがっかり。
欲望のままに行動する29歳。いいのか、それで、という気がしないでもないものの、とにもかくにも、フィオナ・アップルのコンサートに行って来ました。
月並みなことしか書けない自分の文章力が恨めしいですが、本当に良かったです。
会社勤めの身としては、ぎりぎりまで行けるかどうか分からず、必然的に当日券購入 → 後ろの席となるわけですが、場所なんて関係ない。本当に良かった。
1曲目から彼女の格好の良さにほれぼれし、気がついたらいつの間にか立ち上がり、体を揺らしているわけで、しつこいですが、素直に良かったです。
フィオナ・アップルは、最近珍しく、「かわいく、かっこいい」タイプの女性です。
例えば、「かわいい」と言うのであれば、マンデイ・ムーア、ライラ、ジェシカ・シンプソンなんかがいます。
また、「かっこいい」派としては、フェイス・ヒル、ローネイ、ルトリシア・マクニールなんかが挙げられます。
その中間に、クリスティーナ・アギレラや、ソフィー・ツェルマーニ、最近のブリトニー・スピアーズといった「かわいい」子が「かっこいい」ことをしているグループ。あるいはまた、バイタミンCや、バーシア、エムジェイなどの「かっこいい」女性が「かわいい」ことをしているというグループもあります。
しかし、フィオナ・アップルは、そのいずれでもなく、かわいくて、なおかつ、かっこいいのです。
このコンサートに来るまで、僕はフィオナ・アップルは、アリサ・フランクリンのような、もっといかつい女性だと思っていました。しかし、ステージの上に立った彼女は、ほっそりとして、手が長く、子供っぽい雰囲気を持った女性でした。その彼女がひとたび歌い出すと、実に迫力があり、その長い手をだらりと前にのばしながら歌う姿は、ほれぼれするほどかっこいいのです。彼女が飛び跳ね、体をくねらせる姿は、まるっきり子供のようで、ところが一転して、力強くステージを踏みしめる姿、魅惑的なステップは、背中に氷を入れられたときのように、ぞくっとするほど色っぽくて魅力的です。
今日は、コンサートの興奮さめやらぬまま、この東京日記を書いています。いつもにもましてまとまりがありませんけど、ご容赦ください。
先日、仕事で池袋にある会社に行って来ました。
池袋駅から歩いて16分と言われ、悪い予感がしなかったと言えば嘘になるでしょう。案の定、道に迷いました。しかし、予め道に迷うことを見越して、30分ほど余裕を持って職場を出たため、遅刻は免れました。自分の弱点を考慮に入れた上で、スケジュールを立てるなんて、ビジネスマンの鏡といえましょう。さすがです。と、自分で自分をほめている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ともあれ、早速この一件を知人に報告する事にしました。
今日、道に迷いましたが、30分早く出ていたので遅刻しませんでした。僕ってクール?
これに対する知人の回答。
バカ?
クワッ。バカとは何事か。しかも疑問型で送りつけてくるとは。すぐに僕は返事を出しました。
大変心外です。あらゆるリスクを考えて、前もって対策を立てている点をこそ評価して欲しいものです。
知人の回答。
道に迷ってる時点で失格。
などとバカメールで仕事をさぼっている場合ではなく。
ともあれ、知人より、僕が道に迷うのは、歩いている途中に
なーんにも考えていないんじゃないの
という指摘がありました。
そんなことないっすよ。実際、僕は歩いている途中、いろんなことを考えています。例えば、懸案となっている仕事の今後の進め方とか、モモンガとムササビは違う生き物なのかどうかとか、フランス革命とナポレオンの台頭には必然的な関係があるのかとか、先ほど見かけたショッキングピンクのスーツを着た男性は、自分のファッションセンスを疑ったことがないのだろうかとか、本当にいろんなことを考えながら歩いていたりします。
などと反論すると、知人は、
歩いているときは、目的地にたどり着くことを考えるんじゃ……
とあきれた顔をして言いました。普通、そういうものなんでしょうか?
あ、いかん。
次の瞬間、僕はトイレに駆け込みました。深夜1時のことです。
今日はびろうな話です。お食事中の方、すみません。
コトの発端は、コンビニにまでさかのぼります。
その夜、いつものようにダラダラと仕事をした結果、東十条駅に着いた頃には、すでに日付は翌日へと変わっていました。その日、僕は寝坊したため、朝食を取り損ね、午後から外出することもあって、昼食もパスしました。いくら僕が低燃費志向だと言っても、さすがに1日なにも食べないとおなかがすきます。と言うわけで、夕食を求めてコンビニに入りました。
ところが。
時間が時間と言うこともあったのでしょう。コンビニのお弁当コーナーには、おかかおにぎり2つ、サラダ巻き1ヶ、卵サンド2つ、そしてキムチ牛丼でした。
これが普段なら、おにぎりで手を打つことになるのですが、さすがにこの日は、一日なにも食べていないということもあって、しばらく迷った末、キムチ牛丼を買いました。
ところで僕は、胃腸が強くありません。正確に言うと、胃の方は、子供の頃、普段は焼き芋だのじゃこの煮干しだのといった子供にはあまり嬉しくないおやつしか用意しなかった母親が、たまに買ってきたビスケットを地面に落としてしまい、それでももったいないからと言って食べても、なんともなかったり、大きくなってからは、周囲の人間関係で胃が痛くなることもなく、人並み以上の丈夫さを誇っているのですが、腸だけはダメです。冷たい牛乳なんか飲んだら効果てきめんで、夏でも腹巻きは必需品といったありさまです。もっとも、人間はうまくできているもので、僕は寒がりなので、夏の腹巻きも全く苦にならないのでけれど。
ともあれ、冷たいものもいけないのですが、辛いものもダメだということを、僕はうかつにも忘れていました。空腹はなんでもおいしくすると言いますが、それも考えものです。
キムチ牛丼を呪いつつ、不安定なおなかにおびえて一夜を過ごす羽目になった29歳独身。わびしすぎ。
喫茶店でダラダラしながら、パソコンでカタカタと遊んでいると、
「それって、なんていうパソコンですか?」
と声をかけられました。
外でパソコンを使っていると、見知らぬ人から声をかけられることは決して珍しいことではありません。昨年10月にLibrettoを購入して以来、半年が過ぎるわけですが、これまで僕が記憶しているだけでも、10回以上、
「それ、面白そうですね」
と声をかけられています。声をかけてくるのは、隣の席の人だったり、たまたま通りがかった人だったりと、様々です。食堂のおじちゃんが、ものすごく興味を示されて、料理をほったらかして話しかけてこられたときには、さすがに、「おばちゃんがにらんでますよ」と短く切り上げましたが、基本的に僕は、人見知りという言葉と無縁な人間で、知らない人と話すことも苦にならないので、割と楽しく話していたりします。
ただ、この時、話しかけてこられたのは、
「めっちゃ美人!」
という点で、それまでと違っていました。
基本的に女性に弱い、美人ならなおさらといったありさまなので、その時もアイスコーヒーの氷が溶けるまで、楽しい時間を過ごしていました。
彼女は、現在、iBook を持っているのだそうです。それなりに便利だし、なによりiBookは可愛い(この時の彼女は実に嬉しそうでした)のだけど、ただ1点、
「あれは、重くて……」
というのが、彼女の悩みの種なのだそうです。
彼女の悩みは、痛いほど分かります。僕自身、かつては、学会での発表や仕事の打合せなんかで、重い PowerBook520 をえっちらおっちらかついで歩いていた時代があったわけで、男の僕ですら<
「重い」
と感じていたわけですから、ましてや目の前にいるほっそりとした美人だったら切実でしょう。僕は彼女に深く同情しながら、話を聞いていました。
マックユーザーの間では、もはや語りぐさとなっていることですが、Appleは、絶対にVAIOと同じ大きさのノート型パソコンを出すべきです。そうすれば、あのインターフェイスの分かりやすさ、かわいらしさ、お洒落さもあいまって、今以上のシェアを獲得できるはずです。ジョブズの「ハードも自社だけで提供する」という姿勢は理解できなくもないのですが……。
ともあれ、今回の最大の失敗。
彼女の名前を聞くのを忘れた〜
まだまだ青いっす。
女性と一緒に買い物に行って感心させられるのは、買い物かごから買い物袋に品物を移し替えるときの、あのこなれた手つきです。
男というのは、ああいうときどうしようもないもので、少なくとも僕は、なにも考えずにそのままガサガサと袋の中に荷物をつっこんでしまいます。その結果、家に着いて袋を開けると、卵が割れていたり、ポテトチップスが原形をとどめないほど粉々になっていたりするわけです。
それに比べれば女性は、バターは袋の底、ペットボトルを2本以上買ったときは、バランスよく2つの袋に分ける、当然、卵は一番上にといった具合に実にいろんなことを考えているようです。
素直に感心して見ていると、
「あたしに見とれてるん?」
いえいえ。
韓国に留学中の知人が一時帰国したので一緒に恩師の墓参りに行ってきました。
恩師の墓は千葉の静かな墓地の一画にあります。まだ新しい墓石には、一言、
「環日本海時代の到来」
と書かれています。それは彼が夢見て、その実現に研究の大半を傾けた事柄でした。
正直、恩師が研究者として一流だったかどうか、不出来な弟子であった僕には、何とも言えません。ただ、少なくとも僕が知る中で、自らの理想に誠実であり続けた数少ない研究者であったことは間違いありません。彼は、愚直なまでに理想の実現に向けて現実の研究活動を行い、他人からどのような評価を受けようとも、生涯、理想を捨て去ることはありませんでした。政治学者という、現実の政治的な状況に強く影響されざるを得ない立場にあって、彼のように理想のために研究活動を続けることは、僕が想像する以上に困難なことだったのではないかと思います。恩師の細い体のどこに、あれだけの情熱を維持する力があったのか、学生時代から不思議で仕方ありませんでした。一度、その点を先生にたずねたところ、
「こんな興味深い時代に、疲れる必要があるでしょうか?」
と不思議そうな顔をして答えられたことを今でも思い出します。
ともあれ、彼のあの情熱的な活動の背景には、原子爆弾の経験と、朝鮮戦争の影響を受けて友人がスパイとして処刑されたこと、この2つの事件があることは、恐らく間違いないのでしょう。
墓参りの後、奥様が墓碑銘に関して、ちょっとしたエピソードを話してくださいました。
墓碑銘について、「平和」とかじゃなくていいの、と奥様が尋ねたところ、彼は、「そんなものいらない」と答えたのだそうです。
恐らく先生にとっては、もはや「平和」とは、希求するものではなく、自明の前提だったのでしょう。
ただ、先生、どうも僕の目には、先生にとって自明の前提だったことが、少々きな臭くなってきているように映ります。僕の見込み違いならいいのですが。
また疲れたら、ここに来ることにします。もっとも、しばらくは疲れたなどとは言っていられないので、次に来るのは当分先にしようと思っています。何かと小うるさい生徒の乱入がなくて、先生はほっとされたのでしょうけれど。