8月の生き方


日記の目次

08.01 : ナビゲーション
08.06 : ルナ・パパ
08.08 : 禁煙
08.20 : ふかきょん
08.21 : ナンジャタウン
08.27 : 広告


ナビゲーション

2000.08.01

 先日、渋谷に出かけたときのこと。

 知人は、長く渋谷で働いていたということもあり、いろいろと抜け道を知っているようで、混雑した渋谷の人通りをうまく避けて、ひょこひょこと細い路地を抜け、不慣れな僕を目的地へと連れて行ってくれました。「おらおら、黙ってついてこい、はぐれるんじゃねえぞ」と有無を言わせない先導ぶりに、

「渋谷ナビゲータ」

の称号を心の中でこっそり授けていたわけですが、問題は、やたらと知人が注意を促すことです。

「モデルのお姉さんに見とれて、人にぶつかるんじゃないぞ」

とか、

「ほら、そこは段差になっとるから、転ぶなよ」

とか。

 いくら僕が注意力散漫だと言っても、モデルの女性に見とれて迷子になるようなことはないですし、段差ですっころぶようなこともないっすと反論したにもかかわらず、

「客引きが多いから、きょろきょろしちゃダメ」
「そっちは怪しい店が多いから、行くんじゃない」

と次々と警告を発します。

「うるさナビゲータ」

 先ほどの「渋谷ナビゲータ」の称号剥奪。「うるさナビゲータ」もしくは、「やかましナビゲータ」で十分と恩知らずなことを言いながら歩いていると、突然、路地の影から現れた20代黒服の男性。手渡されたチラシには、

「卓球クラブ」

の文字が。

 なんでしょうね、これ。大学のサークル勧誘かなんかでしょうか。それにしてもなぜ渋谷で。しかも黒服姿でと、あからさまな好奇心オーラを出しながら知人に報告しました。  知人は、「行きたいか」と聞きました。「ちょっとだけ」と僕は答えました。「でも、それきっとあらての風俗だと思うぞ」と知人は言いました。知人は、それほどこの方面に保守的ではないものの、それでもやはりあまりいい感情は持っていません。

「物珍しそうな顔して歩くな」

という新たな警告音が追加された渋谷ナビゲータ。どうやら僕を道案内するのは気苦労がたえないようです。


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ルナ・パパ

2000.08.06

 起きたら11時。昨夜の痛飲がたたって、頭が痛い。

 ズキズキする頭を抱えながら、職場に出て、たまっている仕事を片付ける。それでもって、秘密の計画のための書類を作成していると、知人から電話。職場で真面目に働いてるっすよ、と報告するとケタケタと笑われる。さらに追い打ちをかけるようなメール。

Subject:休日出勤お疲れさま
 休日の出勤お疲れさまっていうか、普段からテキパキと仕事を片づけましょうっていうか、仕事ためるな〜。

 どうせ仕事遅いっすよ。ほっといて。というわけで、仕返しの返信メール。

Subject:緊急ミーティング@有楽町
 心ないメールで傷ついた冨倉は、これから『ルナ・パパ』を観に有楽町へ行きます。イヂワルなことをいう人は誘わないっす。
 追伸:ベーカーの『室温』を買ってくれるなら、考え直してもいいです。

 と言うわけで、仕事を片づけてから(本当に片付いたかどうかは議論の残るところですが)映画を観に行ってきました。ちなみに、『室温』は買ってもらえず。残念。

 ともあれ、『ルナ・パパ』です。

 「未婚の母」という事実が、村八分の十分すぎる理由になる国で、女優志望の18歳の女性は、顔も分からない相手と一夜をともにし、妊娠してしまいます。
 父親は激怒するものの、可愛い娘を村八分にさせないよう、相手の男を捜しにいく旅に出ます。唯一の手がかりは相手が「俳優」であること。しかし、文化とは無縁の父親、戦争の後遺症で精神を病んでいる兄、そして相手の顔を知らない18歳の女の子では、父親となるべき男性を見つけられるはずもなく、ドタバタ旅行の末、村に戻ってきます。
 案の定、彼女は周囲から嫌がらせを受けることになります。しかし、そんな彼女の前に、いかさまドクターが現れ、二人は恋に落ちます。彼は、いかさま師ではあるものの、彼女のことを愛し、二人は幸せな結婚にこぎ着けます。ところが、幸せなはずの結婚式の場で、なぜか空から牛が降ってきて、夫と父親は死んでしまいます。
 傷心する彼女の前に本当の相手が現れて……というのが、話のあらすじ。

 登場人物の役割は良く言えばオーソドックス、悪く言えばステレオタイプなものの、ハリウッド映画風の嫌みもなく、ほのぼのとしたいい映画で、「お誕生日おめでとう」で終わる最後のどんでん返しは、かなり無理があるものの、終了後、館内は不思議と納得した雰囲気になっていました。特上ではないものの、良質の映画です。ジェットコースター映画に食傷気味の人にはお勧めです。

本日の収穫。
 チュルパン・ハマートヴァって、可愛い!
 あと、カタルーニャ風プリン、おいしかったです。


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禁煙

2000.08.08

 ついにおそれていた事態が来てしまいました。職場が禁煙になってしまったっす。うひゃー。

 確かに、タバコは嗜好品で、なくても生きていけるのでしょうし、吸わない人にとっては嫌なものだということも分かります。世の中の流れ的にも、公共のスペースでの喫煙は、どんどん隅に追いやられているわけで、あえて抵抗するのは、急流に竿を差すようなものでしょう。僕は無駄な抵抗はしない主義なので、唯々諾々と決定に従ったわけですが(こういうことを会議で議論するのも時間の無駄だと思っているので)、それにしても、

吸いてぇ〜!

 会議終了後、早速、禁煙パイポを購入してきて、これで何とか乗り切ろうと画策したものの、何かが足りない。僕が求めているのはこんなのじゃない。タバコだよ。ニコチンだよ。タールだよ。くはぁ、吸いてぇ〜という欲求がドンドンと高まっていきます。

 口が寂しいのは、禁煙パイポでもある程度いやされるのですが、やっぱり吸って吐くという一連の行為があってこそのタバコです。禁煙パイポ初心者の僕としては、吸う、吸う、吸うといった状態で、

一体いつ吐けばいいのか!

と大変困るわけです。ホント困るよ〜。タバコ吸いたいよ〜。と、基本的に子供な性格の僕は、心の中でだだっ子のようにごねているわけで、頭の中は紫煙でかすんできて、仕事が手につきません(もっとも、僕の場合、タバコを吸ったからといって、仕事の能率が上がっているわけでもないので、大勢に影響はないのですけど)。

 今日はタバコを吸えなくなったショックが大きいので、特にオチはありません。


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ふかきょん

2000.08.20

 男って、ホント、ダメっすね。

 先日、古くからの友人が我家にやってきました。旧交を温めつつ、飲みに行ったのですが、男二人、それほど会話のネタが続くはずもなく、行き着くところは、理想の女性像ということになります。

 29歳、そろそろ理想と現実の区別を付けようという気がしないでもないですが、アルコールが入ったダメダメ二人組は、「藤原紀香って、いいよね〜」とか、「いや、やっぱり新山千春だろ」などとラチのない話をしていました。さて、ここで問題。藤原紀香と新山千春、どちらが僕の好みでしょう。

 ともあれ。

 知人(29歳、既婚)のお気に入りは、深田恭子なのだそうです。

 いいよねぇ、深田恭子。最近の若いアイドルにしてはポッチャリしてるし、引き込まれそうな目をしているし。ただ、29歳(しかも、既婚)。

「ふかきょんになら貢ぐ。わがままでもなんでも言うこときく」

とまで言い切るのは、さすがにいかがなものかと……。

 でも、僕も藤原紀香になら貢ぐかも。


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ナンジャタウン

2000.08.21

 池袋にある「ナンジャタウン」は、ナムコが運営するアミューズメント施設です。

 29歳、アミューズメント施設とは縁のない生活というか、さすがにこの歳になると、「ジェットコースター!」とか、「ミッキー!」とはしゃぐことにためらいが先行してしまいます。

 そんなわけで、知人が、

「いくぜナンジャタウン!」

と言ったとき、

「なんじゃたうん?」

と冷ややかな反応を示してしまいました。

 ところが。

面白いっすねナンジャタウン。

 29歳と30云歳の二人組は、密かにナンジャタウンのとりこになっていたりします。

 と言っても、恐らく我々の楽しみ方というのは、お世辞にも正道な楽しみ方ではないのでしょうね。

 入園券だけを買い求めた我々が駆け込むのは、

昭和40年代風の町並み再現コーナー(正式名称知らず)

 そこで、「真空管テレビ〜!」とか、「ケロヨン〜!」「コッペパン!」「イソジンのうがい薬!」と懐かしグッズに大喜び。

 一体この二人は、なにをはしゃいでいるのかという周囲の子供達の冷ややかな視線をものともせず、「振り子時計ってうるさいんよね」「うちには、黒電話があった」と自分ちの古道具自慢大会を始めていたりします。

 キャラクターをあしらったアトラクションには目もくれず、ただひたすら子供時代の貧乏生活談義を繰り広げて2時間を堪能する怪しい二人組。思いっきり営業妨害?


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広告

2000.08.27

 現在、王子の広告は非常に熱かったりします。

 僕とその広告とのファースト・コンタクトは、以下のようなものでした。

「店じまいのため在庫一斉処分 大安売り」

 赤地に白文字のこの広告は、しかしながら、当時の僕には「あぁ、また閉店セールか。まだまだ不況なんだなぁ」といった、ごくごく普通の感想、したがって、特に心に残るようなものではありませんでした。

 ただ、一点だけ、広告の真ん中に

「無念です!!」

とデカデカと書かれていたことだけが、印象に残っていました。今思えば、この時、僕はことの異常性に気がつくべきだったのかもしれません。しかしながら、神ならぬ身の僕は、すっかりこの広告のことを忘れていました。

 セカンド・コンタクトは、思ったよりも早くやってきました。いつものように新聞をチェックしていた僕の目に、赤地に白文字で

「金策がつきそうなので、もうしばらく営業継続」

と大きく書かれた広告が飛び込んできました。

 その後も、

「北区最後の大型家具屋としての責任を全うするため営業を続けます」

とか、

「商店街の皆様の暖かい支援にて、もうしばらく営業を続けることになりました」

そしてついに先日、

「長年住んできた社長の家が売れました。これからも営業を継続します」

 売れたっすか、社長の家。これで家具が売れれば万々歳っすね。ただ、これは大きなお世話なんでしょうけれど、店の経営実態はすごくよくわかるのですけれど、一体なにが今日の「お買い得」なのか、さっぱり分からないのは、ちょっとどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

 ともあれ、折り込み広告で店の経営状況を報告するという手法は、意外と「当たり」なのではないかと思う今日この頃。せっかくなら、売上情報も掲載すれば面白いのに。


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とみくら まさや(vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date: 2000/08/01 $