10月の生き方


日記の目次

10.01 : 憧れのモンジャ
10.09 : 変な人見つけた
10.12 : 吉野屋
10.14 : ラーメン屋
10.22 : ダイヤモンド展
10.28 : 仮装大会


憧れのモンジャ

2000.10.01

 関西では、お好み焼きといえば、おやつは勿論、朝食にも昼食にも、そして夕食にもなる、まさに万能食品でした。決して裕福とは言えなかった我家では、豚の代わりにベーコンでごまかすということがあったとしても、お好み焼きを作るよと言われると嬉しいものでした。

 ともあれ、もんじゃ焼きです。

 東京に出てきてから3年、僕はまだもんじゃ焼きを食べたことは勿論のこと、見たことすらありません。噂によると、

お好み焼きをくしゅくしゅにしたようなもの(by ふくちゃん)

とのことで、「くしゅくしゅ」という表現にやや不安を感じるものの、やっぱりなんとなくおいしそうです。「もんじゃ」という語感がいいですよね。そう言えば、上々颱風の曲の1つに、『なんじゃもんじゃの木の下で』というのがあります。全然関係ないですけど。

 ところが、僕のモンジャへの募る思いとは裏腹に、どういうわけか、もんじゃ焼きとは縁がなかったりします。知人、友人、その他いろんな人と「今度もんじゃを食べに行こうね」と約束しているにもかかわらず、未だに実現したことがありません。

 一人で食べに行ってもいいのでしょうが、これまでの経験則上、こういうものは、やはり食べ方を知っている人と行かないとひどい目にあいそうです。

 ちなみに、生まれついての関東人の知人は、関東育ちにもかかわらず、まだもんじゃ焼きを食べたことがないのだそうです。何故に? Why? と問いつめたところ、知人曰く、

「京都の人が金閣寺に行かないのと同じなんじゃないの。特に意味はないよ」

との返答。そういうもんなのでしょうか。でもやっぱり観光名所を例に出すのは、ちょっと違うんじゃないかと思うのですけれど……。


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変な人見つけた

2000.10.09

 雨の日に知人がバスを待っていると、見知らぬ人から「車で送っていこうか」と声をかけられたのだそうです。僕とは違い、そこそこ人見知りをする知人が、警戒モードに入りつつ「結構です」と断ったところ、「人が親切で言っているのに、断るとは、なんて失礼な奴」と怒られたのだそうです。そんなこと言われてもさぁ、普通、乗らんよね、というのが知人の言い分です。まぁねぇ。

 ともあれ、先日、夜遅くコンビニに買い出しに行ったところ、外見20代前半の青年が、今まさにフランクフルトを注文しているところでした。そんなに太っているように見えない彼が、フランクフルト6本と言ったとき、てっきり僕は、友人連中の買い出しかなにかだとばかり思っていました。ところが、僕がお弁当を買って店を出たところ、件の人物は、店先でおいしそうにむしゃむしゃとフランクフルトを食されていました。すでに足下には3本もの串が落ちていました。

一人分だったのか!

 そんなにお腹がすいていたのでしょうか。あるいはフランクフルトフェチなのでしょうか。それとも、フランクフルトが親の仇かなにかなのでしょうか。謎が謎を呼ぶ、深夜のローソン。

 さらにまた。

 僕は今、J-Phoneを使っているのですが、これはインターネットメールだけでなく、専用のSkyMailというものも使えます。

 先日、そのSkyMailに突然、

「お金貸してください。6万8000円」

とのメールが入りました。

誰やねん

というか、

お願いする相手を間違ってるぞ!

 それにしても、8000円という半端が妙にリアルです。

 以上、最近、僕が見つけた変な人のコーナーでした。


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吉野屋

2000.10.12

 独身男性の栄養補給庫。速い、安い、うまいの吉野屋です。冨倉の食生活はひとえに吉野屋にかかっています(言い過ぎ)。

 実際、週に1回は吉野屋詣でをしています。今週はちょっと疲れたなぁ、こういうときは肉だよ、肉、という気分になれば、週3回ということも珍しくありません。

 そんな吉野屋ですが、先日、知人から一報が入りました。

「吉野屋の朝定食、おいしいらしいっすよ」

 まじっすか。

 と言うわけで、早速、朝定食を食べるべく吉野屋に行ってきたわけですが、

一体全体、世間で言う「朝」とは何時までなのか!

と戸惑う日々が続いています。

 この東京日記を長く読んでいる方は、僕が血圧が低めで、朝に弱いこと、特に休日は滅多に午前中に起きることがないことを察しておられるでしょう。そうなんです。僕が吉野屋に行って、

「朝定食をください」

というと、王子神谷の吉野屋の可愛らしい店員さんは、きまって

「もう終わりました」

と言われるのです。

 先日も珍しく10時に目が覚めた僕は、今日こそは朝定食にありついてやると勢い込んでいったものの、結局いつもの通り、「並でいいです」と答える羽目になっていました。吉野屋関係者の方、11時過ぎでも朝定食を食べられるようにしてもらえませんか?


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ラーメン屋

2000.10.14

 食欲の秋です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 東十条駅北口にはいくつかのラーメン屋さんがあります。その中には王将もあるわけで、関西出身者としては、大変重宝しております。

 さて、その東十条の一画に龍の字で始まるラーメン屋さんがあります。ここは深夜遅くまで営業しており、夜中ふらふらとほっつき歩いている僕にとっては、貴重な夜の食堂の1つとなっています。

 そのラーメン屋さんに二人連れの中年紳士が入ってきたのは、深夜0時を少し回った頃でした。すでに十分できあがっていたこの二人連れは、店に入ってくるなり、

「コーヒー2つ。アイスで」

とオーダーされました。

ないって、そんなの

 そんな周囲の無言のつっこみにも臆することなく、中年二人組は、どんどん突っ走っていかれます。アイスコーヒーがないことを理解した二人が次に注文したのは、

「シュウマイ」

でした。

 中華料理屋ならいざ知らず、ここはラーメン屋さんです。ギョウザはあっても、シューマイはありません。店員がその旨、丁重にお断りすると、ようやく二人組は「ラーメン二つ」と、ラーメン屋さんらしい注文をしました。

 ところで、このラーメン屋さんは、麺にこだわりがあるようで、普通のラーメンを注文しても「太麺になさいますか、それとも細麺?」と必ず聞かれます。ちなみに、太麺は食感を楽しめ、細麺はスープの味が楽しめるのだそうです。もっとも、味にこだわりのない僕には、そのあたりの違いがいまだに分からないのですけれども。

 ともあれ、この時も、店員はマニュアル通り「太麺? それとも細麺?」と聞かれました。それに対する二人組の答え。

「並でいいです」

 たとえ酔っていても中庸の美徳を忘れない。日本人の鏡といったところでしょうか。


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ダイヤモンド展

2000.10.22

「ダイヤモンド展っすよ」

と知人が言いました。

「ダイヤモンド展っすか」

と僕は冷ややかに答えました。男性だからと言うこともあるのかもしれませんが、僕は光り物には全く興味がありません。もっとも、男性の中にも金とか銀が好きという人もいるようですが、僕はそういうものを見せられても、「はぁ」としか反応しようがないというのが正直なところです。

 そんな僕の反応を予想していた知人は、

「場所は科学博物館。科学博物館よ。科学博物館がやるダイヤモンド展。興味あるっしょ」

と言いました。僕にとっては非常に残念なことに、こういう点は知人の方が一枚も二枚も上手です。知人の思惑通り、科学博物館が主催するダイヤモンド展。これは絶対になにかあるはず。行くしかないっしょ。是非連れて行ってくれ。と知人に頼み込み、行ってきました、ダイヤモンド展。

 さすが科学博物館。やはりひと味違います。いきなりダイヤモンドの原石を見せるなんて野暮なことはせず、分子構造の模型を展示し、続いて、ダイヤモンドをマントル層から地表へと運んでくる火山岩をドカンと展示したかと思うと、何の脈絡もなくダイヤモンドの研磨実演、説明がなければ単なる工事現場としか思えないような採掘現場の模型、さらに古代インドや中世ヨーロッパの文献の実物を展示するという快挙をやってくれています。早くも知人は退屈そうになっていましたが、しかし、そんな知人の忍耐力を試すかのように、工業用ダイヤモンドのオンパレードへと展示は続きます。

 知人には悪いですが、僕にとっては、「ヒートシンクって、ダイヤモンドでできてるんだ」といったことに興味津々で、「さっさと次ぎ行こうぜ」という知人に対して、「もうちょっと」と駄々っ子状態になっていました。

 ともあれ。

 いよいよ本命の装飾用ダイヤの展示コーナー。

 ところで、科学博物館と言えば、普段、上野の美術館・博物館界隈で一番地味な存在です。しかし、やはりダイヤモンドの力は凄いといったところでしょうか。群がる人、人、人といった状態で、しかも、普段なら絶対にあり得ないことですが、観客はほとんどが女性!とてもあそこに割り込む勇気はないと、二人して呆然と立ちつくしていました。

 それでも、
「どうしますか。あの人混み(しかも女性ばかり)の中に突撃しますか」
と恐る恐るお伺いを立てる僕に、知人は、
「せっかく来たんだから……」
と言葉を濁しつつ、人混みをかき分けて、展示物に近づこうとしていましたが、ものの見事に、はね返されておりました。

 他人を押しのけるのは我々には不可能と判断した29歳と30云歳二人組は、流れに身を任せるという手段をとることにしました。

 が、しかし。

 流れに乗ったかと思った瞬間、あっという間に出口まで押し出されている二人組。弱すぎ。

 結局、ダイヤ見学と言うよりは、人間観察に終始していたわけですが、結局さぁ、ダイヤと聞いただけで群がるところに問題があるとは知人の弁。それは、お互い様ではないでしょうか。


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仮装大会

2000.10.28

 知人の職場では、毎年この時期に仮装大会というものをやるのだそうです。と言うわけで、なんかアイデアはないかと尋ねてきました。

 うーん、禿カツラに丸眼鏡、ちょび髭を生やすというのはどうでしょうか。すごくオーソドックスですけど、と言うと、なんでも知人の職場には髪の毛に神経質になられている方がいて、以前、同様の趣旨で仮装した人が、後日、「ちみぃ、あれは私に対する当てつけかね」とネチネチといじめられたのだそうです。

「たかが仮装大会ごときで、複雑な人間関係を発生させたくない」

とは、知人の弁。ダメですか。

 それなら、おしろいを塗って、目をふちどりし、白いシーツをかぶって、「Qちゃん」というのは、いかがでしょうと言うと、

だからさぁ、毛が三本とかいうのは、まずいんだってば、少なくとも、あたしゃ今の仕事を失うつもりはない

とのこと。これもダメですか。

 早くも、僕の乏しい想像力ではネタ切れです。こう言うとき、僕は困った性格でして、「やっちゃダメ」と言われると、そればっかり思い付いてしまいます。浮かんでくるのは、ハゲ関係ばかり。ハゲが列なして歩いているような状態です。

まさに、ハゲのオンパレード!

僕がアイデアを出すたびに、知人からダメを押されていました。

 ちなみに、2時間にも及ぶあーだーこーだの激論の末、落ち着いた先は、今は亡き宇野千代。渋すぎっていうか、分かる人いないんじゃ……。


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とみくら まさや(vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date: 2000/10/01 $