11.04 : ハイ、チーズ
11.11 : 怖いもの見たさ
11.14 : 手帳の季節
11.15 : 没ネタに近いのですが……
11.25 : トゥームレイダー
11.27 : 散髪屋でのコミュニケーション
11.28 : short6
まもなく日付が変わろうかという時刻。近所のコンビニで夜食の買い出しに来ていた僕が、その男性を見つけたのは、夜食の買い出しだと言うのに雑誌コーナーで立ち読みをしていたときでした。
彼は、まずお菓子コーナーに直行し、しかし、そこで何を手に取るでもなく、そのままインスタント食品が並んでいる棚に移動し、やっぱりそこで何を手に取るでもなく、僕のいる雑誌コーナーにやってこられました。
雑誌コーナーで彼は、一列ずつ並んでいる雑誌を丹念に観察しつつ、左端から順に右へと移動し、右端に並んでいる女性誌も相変わらず手に取るわけでもなく、でもやっぱりしっかりと観察されているようでした。
そして、ようやく彼は目的の物件を見つけました。それは、
コピー機!
彼は小さく二度ほどうなずいた後、コピー機の説明を熟読し始めました。深夜のコンビニでコピー機の使い方がとうとうと読み上げられている光景を想像してください。結構、あちらの世界に行っているものがあります。
ともあれ、三回コピー機の説明書を読み終えたことで、ようやく操作方法を納得したのでしょう。彼はポケットから小銭を取り出しました。
この時、正直に言えば、僕はちょっとばかり落胆していました。なーんだ、コピーを取りに来ただけなのか。
ところが、次の瞬間。
コインを投入した彼は、コピー機のガラス面ににっこりと微笑んで、コピー開始のボタンを押されました。
鈍い機械音とともに左から右へとゆっくりと移動するまばゆい光線。その間、彼はコピーに向かってにっこりと微笑み続けられていました。
写真撮影だったのか!
ただ、お兄ちゃん、コピー機の顔写真は証明写真には使えないっすよ。
実は試したことがある冨倉
知人あらため友人が、大きな荷物を抱えて帰ってきました。帰ってくるなり彼女は風呂場に直行しました。しばらくガソゴソとなにやら怪しげな物音がした後、
「うひゃ〜」
と悲鳴が聞こえてきました。なにごとかと風呂場に飛びこんだところ、
「変態、すけべ、出歯亀」
とあらん限りの罵詈雑言を受けました。そんなこと言われても……。
ともあれ、彼女の悲鳴の原因は買ってきたばかりの体重計でした。もう少し正確に言うと、体重計に表示された彼女の体重が彼女に悲鳴をあげさせたようです。体重計の針がどのような数値を指していたのか、あえて言いませんが、最近の友人の悩みは体重だったりします。さらに言えば、
体重増えるのはいいけど、なぜ胸が豊かにならないのか!
ということなのだそうです。
「不公平だよ、絶対。もうちょっと胸があってもバチはあたらないはず」
というのが彼女の言い分です。
友人曰く、
「紀香とか、優香ちゃんなどと贅沢言わない。せめて加藤愛ちゃんくらいは欲しいよね〜」
それって微妙な目標ラインっすね、と呑気に言うと、鉄拳制裁を受けました。暴力反対!
ともあれ。
胸の大きさもさることながら、増え続ける体重はそれなりに気になっているようです。最近は夜10時をまわったら絶対にケーキを食べないと固く決意しているようです。ただし、9時59分からケーキを食べ始めるのは彼女的にはセーフらしいです。それもどうか。
冨倉雅也、30歳独身、こだわりのない男。
11月になり今年も残るところわずかとなりました。気の早いお店なんかでは、そろそろクリスマスの飾り付けをしているようです。今年はクリスマスと縁のないことが決定している僕としては、別にどうと言うこともありません。勝手に浮かれていればいいや、恋人どもってな気分です。
それはさておくとしまして。
もともと物への執着心がないというか、ありものですませようと言う貧乏性のためか、あまりグッズ類へのこだわりがない方なのですが、それでも数少ないこだわりの品として、
文房具
があります。中でも手帳って大好きです。そんなわけで、このシーズン、文房具屋さんをのぞくのがすごく楽しいです。
さて、手帳と一口で言っても様々あります。大きさ、色、革かビニールかといった外見ももちろんのこと、中身も見開き二日タイプから、一週間、二週間、さらには1ヶ月分まで、本当に色々とあります。
個人的には、小さなもの好き、扱い粗雑、なおかつ目が悪いので小さな字でも全然平気な僕としては、
以上3点を基準として、これまでスケジュール帳を探してきました。
ところが意外とないんですね、この基準を満たすスケジュール帳って。
ビジネスパーソンのデファクトスタンダード、能率手帳は、第1と第2の基準は満たすものの、第3の基準でひっかかります。ある程度の分厚さを求めると、途端に僕にとっては不要なもの(アドレス帳とか、地図とか)がついてきて、結構邪魔です。
昨年もらったNTTのスケジュール帳は、中身的には非常に使い勝手がいいのですが、大きさがA4版! 大きすぎます。本屋で立ち読みして気になったことや、思い付いたことをメモするのに、いちいちカバンからゴソゴソと取り出すことになって、あからさまに怪しいです。
また、一時期流行った「超」整理手帳は、1ヶ月先のスケジュールも一目で確認できるという優れものなのですが、微妙に胸ポケットに入らないという難があります。さらに蛇腹式なので、粗雑に扱っていると、蛇腹の部分が切れたりして、かなり悲しいものがあります。
そんなわけで、大学以来10年間、自分の理想とするスケジュール帳を求めてこの時期、僕にしては珍しいくらい頭を悩ませています。
などと言うことを話していると、「って言うか、あんたVisor持ってるでしょ?」と素朴な質問が突きつけられました。そう言えばそうでした。でも、習慣は恐ろしいもので、やはりこの時期、手帳コーナーをさまよってしまいます。さらに時々白昼でも意識を失ってしまう悪質な性分。気が付くと、手帳を持ってレジに並んでいたりするわけで……。
僕が今勤めている職場には、諸般の事情から電子レジスタがあります。
この電子レジスタは、職場が出している調査報告書の臨時即売会など、何らかのイベントで持ち出され、大変重宝されています。
しかし、普段は特に電子レジスタを使うような仕事でもないわけで、多くの場合、段ボール箱の中に収納され、オフィスの一画に片づけられています。
今日、ぼんやりと喫煙コーナーでタバコを吸いながら、その電子レジスタが片づけられている段ボールを見ていて気が付いたのですが、我々が使用している電子レジスタはシャープ製でした。型番はER-A220。へー、シャープって電子レジスタも売っているんだというのが、率直な感想です。
それはいいんです。問題は、
「2.8才」
段ボールには、堂々と「2.8才」と記載されています。
どういう意味?
2.8才のお子さまから使えます! ということなのでしょうか。でも、結構、高機能ですぜ、とても2.8才の子供に使えるとは思えません。そもそも、「.8」というのは非常に微妙なのでは……。
としばらく悩んでいたのですが、多分、ここで言う「才」は年齢ではなく、容積の単位なのでしょうね。ただ、そう考えても「才」を使うシャープ。恐るべし、って言うか、普通に立方メートルと書けばいいような……。
いろんなところで、いろんなことを言われている『トゥームレイダー』ですが、アンジェリーナ様が片眉を上げてにっこり微笑まれているだけで幸せな気分になれる僕としては、周囲の声も耳に届かず、いそいそと行ってきました。
と言うわけで、『トゥームレイダー』の感想。
正直、言いたいことは山ほどあります。意味深なセリフが多い割には引っかけが少ないとか、イルミナティ弱すぎとか、ラストの格闘シーンは無理がありすぎるんじゃないかとか(ほっといても、崩れ落ちる宮殿の下で生き埋めになるんじゃ……)、アンジェリーナ様の入浴シーンはR18指定にしてでももうちょっとどうにかすべきなんじゃないかとか、とかとか、本当にいろいろと突っ込みたい点多々あります。
しかし、それはさしおいても、これだけは言いたい。
アンジェリーナ様、足遅いっす、遅すぎっす!
アンジェリーナ様の足の遅さをカバーするためにスローモーションを多用しているわけですが、それがかえってアンジェリーナ様の足の遅さを際だたせるわけです。しかも、スローモーションだから揺れないんすよ(何が、というお子さまな質問は却下)。それはいかんだろ。
と言うわけで、ちょっと欲求不満です。
世の中には二種類の人間がいる。髪を切らせる人と、髪を切られる人と。
ちなみに僕は後者のタイプです。その結果どういうことになるかというと、散髪屋に行くたびに海よりも深く後悔して帰ってくることになります。
ともあれ、今日、久しぶりに散髪してきました。
相変わらず散髪屋さんとのコミュニケーションに苦しみ、「えーっと、寒くない程度に短くしてください」とだけ言うのが精一杯。あとはなすがままです。無言で髪を切る散髪屋のお兄さん。無言で髪を切られる僕。
おそらくは、そうした沈黙状態に耐えられなくなったのでしょう。散髪屋のお兄さんが、とうとう話しかけてきました。
「メッシュ入れませんか?」
メッシュってあなた、僕はもう30歳。一応勤め人です。メッシュはないだろう。
ところが散髪屋の兄さんは、執拗にメッシュを勧めてきます。曰く、最近ではビジネスマンでも茶髪にしている人は多い。最初目立たない色を入れて、だんだん明るい色に変えていけば、問題ないとおっしゃいます。
もちろん、茶髪だからどうのこうの言うほど、僕はその点について神経質ではないですし、他人のしかも男の髪の色なんか、いちいち気にしてません。でも、30年間生きてきて、自分が茶髪が似合うかどうかの分別はあります。似合わないっすよ。
完全に取り付く島がなくなった僕に対して、サービス精神旺盛な散髪屋のお兄さんは、なんとか会話をつなげようと努力されているようでした。見上げた営業精神です。彼に敬意を表して、僕としても協力すべきだろうと思い直しました。
が、しかし。
今日はどこかお出かけですか?
この一言がすべてを決しました。日曜日、夕方4時に散髪屋に来ている人間が、そんな浮かれた話あるわけないのに……。
渋谷シネクイントのレイトショーでやっている『short 6』を観てきました。
タイトルにあるように、短編フィルムを6作品集めたものなのですが、どれもできが良くてビックリしました。
と言うわけで、今日はその興奮も冷めやらぬまま、感想をば。
これ、気持ちよすぎです。
内容は、犬の散歩に出かけた夫妻の家に6人の若者が侵入し、家具を楽器に見立てて、夫妻が帰ってくるまでの間、即興演奏に興じるという、けっこう怪しい話なのですが、本当に気持ちよすぎです。
映像的には、他の作品に比べて特に凝ったことをしているわけではないのですが、最後の最後まで夫妻が帰って来たときにどうなるのかという緊張感が、非常に効果的にドラマ性を発生させています。
とにかく音楽が気持ちよすぎ。
こちらは一転してパペットものです。
ペストが流行しているイギリスを舞台に話は淡々と(結構残酷に)進んでいきます。初めは単なる人形だろと思って観ていたのですが、だんだん人形がリアルな存在に見えてきて、かなり不気味な気分になってきます。ストーリー的にはありがちですけれど、とにかく人形が不気味。
前2作が、比較的ゆっくりした映像で構成されているのに対して、こちらはいわゆる現代風の情報量満載の映像仕立てになっています。最初から最後まで運転席の中だけで完結しているのですが、とにかくあくどいくらい様々な映像が挿入されています。
ただ最後まで誰に車をぶつけたのか、何回ぶつけたのか、それでもって誰が被害者なのか分からずじまいでした。年をとった証拠?
ある老俳優の家に子供達が古めかしいカメラを持ち込んだことを述懐しているという、それだけの話なのですが、うまいですよ、これ。いい意味であざとい。10分足らずの内容なのですが、ラスト、一人で拍手していたのは僕です。
CG作品です。音楽まですべて一人で制作したこの人物って本当にすごいと思います。メッセージ性とか、教訓とかそういうものを映画に求めている人には、単なる子供だましな作品なのでしょうが、MATRIXのパロディとか、かっこよさのツボをうまく押さえています。しかもコーヒー豆で。とりあえず精神年齢幼稚園児な僕は、十分楽しめました。
今回の一連の作品の中で一番好き嫌いがはっきり分かれるのが、この作品でしょう。アメコミ調の映像(でも、一部キャラクターは赤塚風)、破天荒で御都合主義的な内容、ターンテーブル効果を映像に持ち込んだらこうなる風な表現手法。本当に嫌いな人は嫌いというか、そもそも近寄れない作品に仕上がっています。実際、途中で席立つ人多かったようです。でも、僕は好き。
さて、ここで問題です。僕が今回の6作品の中で一番好きなのはどれでしょう。