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09.01 : いっしょ
09.06 : 馬鹿叔父、帰省を決意する
09.21 : 人間暇だと……
09.23 : マルセイユ
09.29 : 深読み または どうでもいいこと
夜、小さなレストランに家族連れが入ってきました。僕と同じくらいのお父さんとお母さん、それにお嬢さん2人です。
上のお嬢さんは、小学校の高学年くらいでしょうか。一方、下のお嬢さんは、まだ幼稚園に通うかどうか微妙なお年頃のようです。
お嬢さん二人してメニューを熱心に見ておられます。ただ、どうやら下のお嬢さんには、メニューの文字は難しすぎたようで、すぐにお嬢さんの目はメニューを追いかけるのではなく、隣に座っている32歳独身男性が食べているものや後ろのカップルの机に並べられている料理に移りました。
しばらくして、可愛らしいウェイトレスさんが、オーダーを取りに行くと、上のお嬢さんは、いかにもお姉さんらしい口調で、メニューを指さしながら、
「スパゲティ」
とおっしゃいました。するとすかさず、下のお嬢さんも
「マキもそれ!」
とおっしゃいます。
上のお姉さんが、やはりメニューを指しながら、
「サラダ」
とオーダーすると、下のお嬢さんも
「マキも!」
とおっしゃいます。さらに、上のお嬢さんがプリンをオーダーしたところ、やっぱり下のお嬢さんも
「マキも!」
とおっしゃいました。そんな妹に、
「マキはそんなに食べられないでしょ」
と、上のお嬢さんは、いかにもお姉さんらしい毅然とした態度で言いました。下のお嬢さんは大いに傷つけられたようで、「食べられるもん」と口をすぼめておっしゃいました。そんな妹にお姉さんは、
「無理だよ、マキは小さいから、そんなに食べられない」
と追い打ちをかけられます。そこへ、お母さんが助け船を出されました。
「じゃあ、マキちゃんは、ママと一緒に食べようね」
妹さんはニッコリほほえみながら、お母さんに甘えるようにもたれかかりました。しかし、それを聞いてお姉さんの方も黙っていません。
「ずるーい、チカもお母さんと食べる〜」
ここで妹さんが逆襲に出られました。
「ダメだよ。ママはマキと食べるの!」
この可愛らしいやりとりを、それまで黙って聞いておられたお父さんが、お姉さんに助け船を出そうと口を開かれました。
「じゃあ、チカはお父さんと一緒に食べよう」
ところが。
「え〜、やだ〜」
ちょっとお父さんに同情してしまった瞬間。
妹の子供が生まれたと聞いたとき、真っ先に頭に浮かんだのは、
父親と母親が猫かわいがりするのではないか!
ということでした。案の定、妹からの報告を聞くたびに僕の不安は確信に変わり、ことある毎に「あまりプレゼントを贈るのはいかがなものか」と警告を発していたわけです。妹夫婦にも子育ての方針というのは、あってしかるべきで、血がつながっているにせよ、それを部外者が甘やかす方向で軌道修正するのはいかんだろと32歳独身の息子としては心配していたわけです。
ところが。
姪っ子がすやすやと寝息を立てつつ、小さな手で僕の指を握りしめてくれて以来、32歳独身男性の叔父は、
すっかりメロメロ
になっているわけです。今では帰省するたびに、何はさておき姪っ子のご機嫌を取ることを真っ先に考える32歳馬鹿叔父。それもどうか。
ところで、今年の夏は、自分でも何がそんなに忙しかったのかよく分かっていないのですが、夏休みを取れませんでした。もっとも、昔から僕はなんだかむやみに忙しくしているような雰囲気を漂わせるのは大得意でして、まじめに働いているような錯覚を周囲に与えつつ、ちゃ〜んと有給は消費していたりします。従って、夏休みを取らなかったのではなく、夏休みを取れるだけの有給が残っていないかも(実は自分でも残りの有給を把握してなかったりします)というのが正直なところです。それに、帰省して結婚話になるのは、ちと辛いよね〜という気分もあり、今年の夏は帰省しなくてもいいかと考えていました。
そんなある日。
妹から一通のメールが届きました。タイトルも本文もなく、添付ファイルのみのメールだったので、
うぃるす?
とか思いつつ、こわごわと添付ファイルを開けた瞬間、馬鹿叔父(32歳)は、
帰省するっす!
と決意しました。
ちなみに、馬鹿叔父(32歳)に帰省を決意させたメールは、こんな感じです。
今日も相変わらずでれでれなので、オチは何もありません。
先日、1通のメールが届きました。件名は
《大至急御連絡致します》必ずお読み下さい
これだけでピンと来た人もおられるかもしれませんが、ご想像通り最近流行の詐欺メールです。今回の送金先は大阪のようです。
普段なら、
黒ヤギさんたら読まずに捨てた
となるわけですが、その日、台風のためあまりにも暇だったこともあり、ちょっと意地悪な気持ちになって、どこから送られてきたのか調べてみました。
From, Return-Path, Reply-To はすべてアメリカの covad.net と言うところにぶら下がっているホストになっています。でも、これ架空のドメインぽいです。
ともあれ、昔は、Fromを詐称しても、Reply系まで気が回っていないことが多かったので、ちゃんと考えているなぁ〜と感心したものの、微妙にいろいろと痕跡を残されておられていて、その足跡をたどっていくと、川崎インターネット経由で、渋谷のとあるパチンコとかスロットの攻略をしている会社から送られているようです。あらら。
とりあえず、踏み台にされているみたいですぜ、ダンナ!
直感で行動すると、必ず正反対の方角に進んでしまう32歳独身。築地!
と言うわけで、観てきました、Theatre Mursの『マルセイユ“くじら亭”へ行ってみない?』。
感想。
日頃の行いを反省します!
この日記をお読みの方なら、うすうす感づかれている方もおられるかもしれませんが、普段、僕は下ネタ、シニカル、ブラックユーモアにどっぷりと漬かった生活をしています。そのため、
恋愛だ? けっ!
みたいな生き方をしています。少なくとも、小説にせよ映画にせよテレビドラマにせよ「恋愛」がキーワードになっているものは、最初から寄りつかないわけです。
そんなこっちゃいかん!
それが今回のお芝居の感想です。
この『マルセイユ〜』は正真正銘の恋愛ドラマです。しかも、ドロドロしたものではなく、ほのぼのした感じです。ネタ晴らしになりますが、今回のお芝居では最終的に6組のカップルが登場し、全カップル、ハッピーエンドを迎えます。前回の「ひよこ豆〜」もそうでしたが、今回も特別な事件はほとんど起こらず、ほのぼのとストーリーが進んでいきます。
こういう心温まるお芝居を観ると、いかに僕がダメダメな生活態度だったことか!(詠嘆)と、本当に心の底から反省する次第です。
なおなお。
お芝居中、はたしてこのお店は、ちゃんと経営していけるのだろうかと、ついつい考えてしまった自分にも反省!
さらに、なおなお。
アコーディオンっていいな〜。
ご存じの方もおられるかもしれませんが、某航空会社が
「のぞみへ。先に行っています」
という宣伝を打たれています。
大阪や、福岡に行くには、飛行機の方が早いですよということなのでしょうけれど、さて、どうなんでしょう。
飛行機で先に行っている → 先に行っていないと間に合わない → やっぱりJRの方が早い
ということにはならないのでしょうか。JR担当者が、
「私は後からゆっくり行きます。のぞみ」
みたいなカウンター広告やらないかなぁと、一人でワクワクしていたりします。でも、やらないんでしょうね。
今日は(今日も)、思いつきをただただ書いているだけなので、オチは特にありません。
最近、意地悪な感情になることが多い冨倉