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33歳。独身。ご想像の通り、コンビニ弁当に頼りっきりの食生活を送っています。
「栄養偏る」「添加物一杯」等々、あまりいい評価を聞かないコンビニ弁当ですが、人間食べなければ生きていけません。むしろ僕のような人間にとっての問題は、栄養の問題よりも切実なのは、
微妙に飽きてしまう時がある!
ことだったりします。
そんなわけで、2日続けて八宝菜を買う羽目になってしまった33歳独身は、「一工夫しよう!」と決意しました。
とは言うものの、お世辞にも料理が得意とは言えない33歳独身男性のできることと言えば、冷蔵庫をあさって適当なものに火を通す程度です。さらに言えば、冷蔵庫の中にたいしたものがあるわけでもありません。案の定、その日の冷蔵庫の中身は、焼き豚とシャケ缶でした。この瞬間、ひらめきましたね、僕は。
中華と言えば豚! 八宝菜に豚を入れたら、おいしいのでは?
結論を言えば、
バッチリ!
でした。焼き豚を適当に切り、少し火を通してから八宝菜に入れてみたところ、大変美味です。これに気をよくした僕は、
八宝菜に豚を入れて九宝菜。もう一品加えて、ちょっと豪華に十宝菜と洒落込もう!
などと一人で盛り上がり、シャケ缶も八宝菜に加えてみました。
結論を言えば、
バッチリ!
でした。
が、しかし。悲劇は深夜唐突に訪れました。
やばやば!
胃に関しては人並みの強さを誇りますが、普段から腸は弱々です。効果てきめんにトイレから離れられなくなってしまいました。
「自業自得」「過ぎたるは及ばざるが如し」「蛇足」そんな諺を噛みしめながら深夜トイレで苦悶する33歳。ダメダメ。
これは完全に好みの世界ですが、僕は小さくて小回りがきいて、ちょっぴり便利というものが大好きです。
例えていえば、何でもできるデスクトップ型のパソコンよりもノート型の方が、車ならセダン型よりもクーペ型の方が好きです(車の免許持っていませんけれど)。
自転車でいえば、ツール・ド・フランス的なスマートな自転車よりも、マウンテンバイクのような小さいのに、どんなところでもガシガシ行けるようなタイプが好みです。と言うわけで、あっこさんの旦那さんから頂いた小さな折りたたみ自転車は、早くもお気に入りとなっています。
あっこさんの旦那さんとしては、コンビニとか喫茶店、本屋さんなど近くに出かける時に乗ればという感じだったのでしょうが、しかし、既に根津−王子間を走破している僕に恐いものはありません。すっかり気分はサイクリングモードに入っています。
と言うわけで、まず手始めとして、「隅田川河川敷を下ろう計画」を実行しました。
僕が今住んでいるすぐ近くには隅田川が流れていて、水上バスの船着き場があります。ここをゴールに赤羽辺りから川沿いを走ろうと、10時頃、赤羽に向かいました。
折りたたみ自転車のタイヤは、小学生が乗る自転車よりも小さいです。とは言うものの、意外とスピードは出ます。相手がママチャリタイプなら、「地方出身者の脚力をなめるな!」と踏ん張れば、結構いい勝負になります。少なくとも、おっちゃん、おばちゃんをあっという間に抜き去るくらいのスピードは出せます。ちんたら走っている中学生、高校生にも圧勝できます。ただし、本気モードになっている高校生は相手しない方が無難でした。
それはともかく。
さすがに東京です。京都を流れる保津川とは違い、河原には野球、サッカーができるグランドが何面も続き、ちょっとしたミニゴルフ場も作られています。その横がサイクリングロードになっていて、ジョギングをしている人なんかがトコトコと走られているわけです。確かに人工的な自然なのかもしれませんが、それでも普段のコンクリートとアスファルトに囲まれた生活に慣れていると、なかなか気持ちのいいものです。ましてや今日は休日にもかかわらず午前中です。秋の日の柔らかな日差しの中、のんびりと自転車を走らせていました。
特に目的があるわけでもありません。途中で子供達の草野球を観戦したり、犬と戯れたり(飼い主の方、調教の邪魔をして申し訳ありません)、いろいろと道草を食いながらのんびりと川岸を走っていました。
1時間走り、2時間走り、3時間走り。途中たびたび道草を食っているとしても、さすがにそろそろ目的の船着き場が見えてもおかしくないはずです。にもかかわらず、いっこうに船着き場にたどり着きません。それどころか、考えてみれば水上バスが走っているところを見ていません。これはおかしい。さすがにのんびり屋の僕も「これは何か間違っているのではないか?」と思い始めました。
土手を上って、真っ先に目に飛び込んできた標識には、
亀戸
と書かれていました。
かめいど?
どこよ、ここは!
結論を言えば、僕が隅田川だと信じて疑わなかった川は
荒川
だったようです。しかし、そんなことが分かっても、なんの慰めにもなりません。行きはあっという間に感じた3時間の道のりが途方もない距離に感じられます。行きはよいよい、帰りはこわい。33歳になって、まさかそんな歌を身をもって体験することになろうとは……。