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6月の生き方


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06.21 : 泣いてる子


泣いてる子

2005.06.21

 僕が女性のことをすごいなと思う場面って、結構あるのですが、その一つに

泣いている子をあやせること!

というのが、あります。

 男性は、これ、本当にダメなんですね。言葉が分かれば、なだめたりすかしたりできるのかもしれませんが、子供だとそういうわけにもいきません。少なくとも僕は子供が泣いているのを見ると、本当におろおろしてしまい、こっちまで泣きたい気分になってしまいます。

 さて。

 喫茶店で、いつものようにボケボケしていると、お父さんが入ってきました。乳母車には、1歳になるかならないかの赤ちゃんが、すやすやと眠っておられます。休日の昼下がり。ホント、のんびり、のんびりです。

 ところが。

 何がきっかけだったのか分からないのですが、突然、赤ちゃんが火のついたように泣き出しました。

 お父さんは慌てて赤ちゃんを抱き上げ、腕の中で揺すったり、背中をなでたり、あらゆる手を使うのですが、赤ちゃんは泣きやみません。お父さんは、困った顔をして、

「ね、みんなビックリしてるよ。泣くのやめようね」

とあやしてみたりもするのですが、そんな大人の事情が赤ちゃんに通用するはずもありません。お父さんは完全に途方に暮れてしまわれています。

 そんなところに、遅れてお母さんがお店にやってこられました。お母さんは、泣き続ける赤ちゃんをお父さんから取り上げると、お父さんがやっていたように、腕の中で揺すり、背中をなで、ほおずりをして、赤ちゃんに話しかけ始めました。

 するとどうでしょう。

 それまであんなに泣いていた赤ちゃんが、嘘のようにぴたっと泣きやんだわけです。

 やっぱり、じょりじょりしたお父さんのほおずりよりは、お母さんのすべすべなほおずりの方がよかったのでしょうか。何が決め手になったのか、男の僕にはさっぱり分からないわけですが、とにもかくにも赤ちゃんを無事に泣きやませたお母さんに心の中で拍手を送りつつ、少し寂しそうなお父さんにも、ちょっぴり同情。


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とみくら まさや(vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date: 2005/06/21 $