【長嶋監督だと】 |
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私なんかはですね、いわゆるひとつの無鉄砲で、損ばかりなんですね。小学生の頃に、学校の二階から、こうバーっと飛び降りて、ビューっときて、ドスンとですね、落ちたわけなんですが、これがまた痛いの痛くないの。痛いんですけれど、思わずウェストがですね、抜けちゃったんですよ。あなた、ウェスト抜けたことありますか? ある。あ、そう。それで、父親が目をこんなにして怒るんで、私も若かったですから、ムラムラっと闘志が燃え上がってきまして、バットを握り締めてですね、ビュっと振って、バッ、バッ、パシッと、ここで球を捉えると、ボールはセンターライトの方向にですね、こうパーンと弾き返されるんですよって、なんの話でしたでしょうか。 |
どうでしょうか。もはやここから始まるのは、四国のお話ではなく、
めくるめく長嶋ワールド
だというと言い過ぎでしょうか。
それにしても、さすが長嶋。人の話を聞いているようで、実は聞いていないところといい、論理の一貫性ということを超越した思考回路といい、彼こそは日本を代表する
「坊ちゃん」
だと思うのは僕だけでしょうか。