あなたなら誰の手を借りますか?

 東京日記でも書きましたが、毎年恒例のお花見をしました

 このお花見は実に楽しいものでして、まったく見知らぬ人(主催者ですら、全員の名前と顔は勿論のこと、何をしている人なのかもすでに把握できてないです)といつの間にか話が弾むのは勿論のこと、寒空はだかさんのオンステージに腹を抱えたり、ピアニスト石黒さんの生演奏に聞き惚れたり、東大の研究者の方のマジックに驚いたりと、出し物も豊富です。

 しかし、それよりも何よりも、

主催者の手料理がおいしい!

 勿論、独身男性(32歳)、日頃は吉野屋&コンビニのお弁当を主食としている身にとっては、女性陣が持ち込んでくださる手料理も重要な喜びの一つなのですが、しかし、いらっしゃった女性陣の不興を買うことを恐れずに言えば、

主催者の手料理がおいしい!

 これを食べるためだけでも、このお花見に参加する価値はあります。さらに言えば、築地への買い出しと、入念な仕込みをするために前日仕事を休まれたとしても、誰も文句なしでしょう。少なくとも僕はないです。

 このお花見の主催者が、あっこさんの旦那さんだったりします。

 今年の料理は、カレー系の汁物(正確になんというのかわかりませんけれど)、巨大豚肉の香草焼き(こちらも正確になんというのかわかりませんけれど)、それにお魚のホイル包み(やっぱり正確になんというのかわかりませんけれど)でした(酔いが回っていたため記憶がおぼつかないのが何とも残念です)。

 あっこさんの旦那さんがすごいのは、味が絶妙というのも勿論あるのですけれど、それと同じくらい

50人以上の(飢えた32歳独身男性を含む)胃袋を満足させるだけの量

を作られることです。1人分作るだけでも途方に暮れている、どこぞの32歳独身男性には是非にも見習わせたい!

 それはともかく。

 50人以上の胃袋を満足させるとなると、材料も半端な量ではありません。

にんにく、3ネット

 これだけで、そのすごさが分かってもらえると思います。

 ともあれ。

 当然のことながら、3ネット分のニンニクの皮をむかなければいけないわけです。これ、かなり大変です。ちなみに先日久しぶりに自炊してみたのですが、1個のジャガイモの皮むきを途中で投げ出しそうになっていた人間としては、3ネット分のニンニクの皮をむくと聞いただけで気が遠くなります。

 あっこさんの旦那さんも、さすがに3ネット分のニンニクの皮むきは大変だと思われたようです。

 ところで、単純作業をこなすこつとして、中間目標を細かく設定して、小さな達成感を何度も味わいながら作業するという方法を僕はとることが多いのですが、それ以上に、大勢で効率のいいやり方をわいわいと議論しながら作業をするというのもいいものです。勿論、議論したからと言って効率が良くなるわけではなく、むしろ黙って作業を進めた方が短時間で終わるのですけれど(^^;

 余談はともかく。

 あっこさんの旦那さんも、3ネット分のニンニク皮むきを一人でこなすのは無理と判断されました。こういうとき頼りになるのは、何と言ってもあっこさんです。あっこさんは、こころよくニンニクの皮むきを引き受けられました。

 しかし、とは言うものの、ニンニク3ネットです。さすがのあっこさんも、大変なことになったと感じられたようです。

「ねぇねぇ、今からさぁ、上野の動物園に行かない?」

とあっこさんは、旦那さんに申し出ました。もうとっくに動物園は閉園している時間です。それより何より目の前のニンニク3ネット分を何とかしなければいけません。こんな時に何を言い出すのかと首を傾げた旦那さんに、あっこさんは皮をむく手を止めず、

「お猿さんに手伝わせたら、早いよ、絶対」


あっこさんメモ

皮むきには猫よりも猿


 この話は実話を元に、冨倉が若干の脚色を行ったものです。実在の人物、場所、事件となにかの関連性があったとしても、それは気のせいなどではなく、多分本当に起こったことです。なお、本件に関する苦情、その他につきましては、冨倉までご連絡ください

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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2003.04.14 $