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妖怪の森の狩人

著者エイモス・チュツオーラ
タイトル妖怪の森の狩人
出版社トレヴィル 出版年1993年 価格1545
評価★★★★

【感想】

 本当かどうか分かりませんが、本書は、チュツオーラの隠れた処女作という位置づけになっています。

 チュツオーラの言葉が正しいとすれば、主人公が妖怪の住む森に迷い込み、妖怪達の町を転々としながら旅を続けるというプロット、残酷な場面をさらっと書き流してしまう手法、前後のつながりの微妙な矛盾などは、いかにも『やし酒飲み』の練習的な雰囲気を出していて、非常に興味深いものになっています。

 しかし、本当にこれは処女作なのでしょうか。言い換えれば、チュツオーラを全面的に信用していいものなのかどうか、僕には分かりません。ぺろっと舌を出している茶目っ気たっぷりなチュツオーラの姿が、本の向こう側にちらほらと見えるような……。


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とみくら まさや (vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date : 2001.08.06 $