著者 | エイモス・チュツオーラ | ||||
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タイトル | 妖怪の森の狩人 | ||||
出版社 | トレヴィル | 出版年 | 1993年 | 価格 | 1545 |
評価 | ★★★★ |
本当かどうか分かりませんが、本書は、チュツオーラの隠れた処女作という位置づけになっています。
チュツオーラの言葉が正しいとすれば、主人公が妖怪の住む森に迷い込み、妖怪達の町を転々としながら旅を続けるというプロット、残酷な場面をさらっと書き流してしまう手法、前後のつながりの微妙な矛盾などは、いかにも『やし酒飲み』の練習的な雰囲気を出していて、非常に興味深いものになっています。
しかし、本当にこれは処女作なのでしょうか。言い換えれば、チュツオーラを全面的に信用していいものなのかどうか、僕には分かりません。ぺろっと舌を出している茶目っ気たっぷりなチュツオーラの姿が、本の向こう側にちらほらと見えるような……。