著者 | 池宮彰一郎 | ||||
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タイトル | 四十七人の刺客 | ||||
出版社 | 新潮社 | 出版年 | 1995年 | 価格 | 743 |
評価 | ★★★★ |
11月も下旬。もういくつ寝るとお正月(ちょっと早い)。
さて、年末と言えば忠臣蔵、忠臣蔵と言えば年末。と言うわけでもないのですが、『四十七人の刺客』です。
元々僕は歴史好きなのですが、その割には歴史小説を読んでいないといわれ続けて30年。ただ、どうなんでしょう。少なくとも日本人が書いた歴史小説って、あまりにも私小説の影響を受けすぎているのではないかと感じます。別にそれが悪いとは言いませんが、でも、そればっかりなのはどうかと思います。
もちろん、歴史「小説」なのだから、史実にないこと、史実に反することが書かれているからといって、目くじらを立てるのもヤボなのですが、それでも、
信長と光秀のホモ話なんか読みたくない!
と思ってしまいます。
ともあれ、『四十七人の刺客』です。
歴史小説に限らず、抑制のきいた乾いた文体を好む僕としては、かなり楽しく読めました。忠臣蔵という非常にメジャーなテーマなので、結末どころか筋もおおむね知っているにも関わらず、上杉 vs 旧浅野という対立構造を中心に据えているため途中で飽きることもなく、久しぶりにいい歴史小説家に出会ったというのが読後感です。作者の主な関心事が忠臣蔵の世界と言うことで、今後引き続き読むかどうかは別にして、こういう作家がどんどん出てこないかなぁというのが今の正直な気持ちです。
ただ、1点だけ失敗。
こっちを読む前に、例のパロディ『どすこい(仮)』を読んでいたため、シリアスな話なのに僕の中ではどうしてもそのイメージがだぶってしまって……。