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著者 | 金光雅夫 | ||||
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タイトル | UNIX/Linuxシェルプログラミングチュートリアルブック | ||||
出版社 | 秀和システム | 出版年 | 2003年 | 価格 | 1900 |
評価 | ★ |
最近、コンピュータ関係の著者で注目しているのが、この金光さんです。
とは言うものの、この場合は必ずしも肯定的な意味ではなく、むしろ、「恐いもの見たさ」的な意味合いが強いです。
金光さんの出される本は、少なくとも僕にとって、ベストタイミングなことが多いです。先日の Ruby本もそうですし、本書もちょうど僕が自宅のパソコンに Linux をインストールして勉強を始めたところなので、本当に
な〜いすタイミング、金光さん!
だったのですが、これまた Ruby本の時と同じく、
そりゃないよ〜金光さん!
に変わるまで、それほど時間はかかりませんでした。
ともあれ。
冒頭いきなり、
Bashの後継であるRuby
という一文で僕のハートはがっちり捕まれてしまいました。Ruby って Bash の後継だったの? マジで?
もしこれが「Perl の後継である Ruby」というのであれば、異論、反論その他諸々はあるのでしょうが、とりあえず著者のいわんとするところは分からないでもありません。しかし、金光さんは「Bash の後継」と言い切っておられます。どいうこと?
そんな僕の疑問をほったらかしにして、金光ワールドは、どんどん進んでいきます。「パターンマッチ」の説明なのに、なぜかサブシェルの説明が始まり、それがパターンマッチとどういう関係があるのか、まったくふれられないまま、「では、次章でお会いしましょう」とあっさりと終わられてしまいます。ちょっと待って〜。
しかし、金光さんは待ってくれません。
Chapter3では、お得意のソースコード丸写し(しかも、なんの説明もなし)で、ページ数稼ぎをして、いよいよ問題の「Chapter5 一歩進んで Ruby を使ってみよう」です。ここでいよいよ冒頭の Ruby が Bash の後継だと金光さんが言い切られた理由が明らかになります。
「Ruby を見ていくと、Bashのスクリプトと似ているかということがわかるでしょう。とくに文字列処理などでは Unix の ToolBox での処理とほとんど同じ名前のコマンドもあり、いかに Ruby がシェルスクリプトの影響を受けているかが分かります」
なんと!
でも、金光さん、それって Bash だけじゃなくて、Tcsh でもよくなくない? というか、金光さん自身、「Unix の ToolBox での処理とほとんど同じ名前のコマンドもあり」と言ってるわけで、Ruby が Unix の影響を受けているくらいにしておけばよかったのでは? 大きなお世話?
さらにとどめは、
「Bash のシェルスクリプト本だと思わせて、なぜか唐突にアポロが登場!」
という離れ業で幕を閉じてくださっています。Windows 環境で Bash を動かす説明を省略してまで、なぜにアポロ? 金光さんの考えることはよくわからん。
僕には別の意味で楽しい本でしたが、この本もやっぱり人にはお勧めできません。
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