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著者 | 岸本佐知子 | ||||
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タイトル | 気になる部分 |
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出版社 | 白水社 | 出版年 | 2006年 | 価格 | 920円 |
評価 | ★★★ |
翻訳者岸本さんのエッセーです。
本書も『ねにもつタイプ』同様、若干、電波が入っているような面も見受けられますが、全体的には日常の細かな出来事を顕微鏡的観察眼で眺めた内容になっていて、さすがはベイカーの翻訳者と感心させられます。
岸本さんのエッセーでは、何か奇抜なことが起きたり、奇抜な考えが語られたりすることはありません。むしろ、誰にでも起きるような日常的な出来事であったり、誰もが考えるようなことばかりです。乱暴に言ってしまえば、取るに足りないことばかりです。しかし、まさにそのことが大切なのだろうと僕は思います。取るに足りないこと。普通なら見過ごして忘れ去ってしまうこと。そうした些細なことが、本当の意味での「リアル」ということなのではないかと思います。
もっとも、本書はそんな小難しいことを考えずにのんびりと、そしてクスクス笑いながら楽しめる1冊ですけれど。
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