1月の生き方


日記の目次

01.01 : 紅白
01.04 : ウィンター・スタイル
01.07 : 年始の挨拶
01.12 : 食欲
01.13 : 魅惑のシーザーサラダ
01.15 : ビジネスのすすめ
01.17 : ティベリウスについて
01.18 : 電話には誰もでんわ
01.19 : レパートリー
01.21 : たまにはゲームの話でも
01.24 : 若い研究者への手紙


紅白

2000.01.01

 さて、特に大きな社会問題を引き起こさずに、2000年を迎えたわけですが、みなさま明けましておめでとうございました。

 ともあれ、紅白です。さだまさしは、期待に反して「北の国から'99」を歌わなかったり、ついに小林幸子の衣装がインフレ破綻を起こしていたりと、ちょっとがっかり感が強かったのは僕だけでしょうか。

 しかし、さすがはNHK。押さえるポイントは、ちゃんと押さえています。

 今回最大の見せ場は、誰がなんと言っても、

森繁の久弥君

でしょう。いやぁ、すげぇ恐い。『ブレアウィッチ・プロジェクト』も真っ青。

 出てくるなり、倒れるんじゃないかとヒヤヒヤさせ、いきなり「八王子の……」と始めるところなんか、お約束なのか、それとも本当にボケているのか判断に苦しんだり、エスコート役の飯島直子が、ボケ老人の看護人に見えてしまったりと、もはやどこからどこまでが芸で、どこからが地なのか分からないわけで、これでこそ至芸と言えるのでしょう。

「さすが森繁!」

 ともあれ、現在、芸能界で最もアンタッチャブルな存在と言える彼を、あえて起用し、なおかつ何があっても編集が聞かない生番組の舞台に立たせたNHK。いい度胸というか、なにも考えていないというか……。


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ウィンター・スタイル

2000.01.04

 今日、久しぶりにスーツ姿で出社しました。

 こういうと僕が普段とんでもない格好をしているように思われるかもしれませんが、基本的に僕の職場は、まだまだ古い体質があるようで、出社するときはスーツにネクタイをしていなければいけないという不文律のようなきまりがあり、一応、僕もスーツにネクタイを着用しているのですが(我ながら、借りてきた猫みたいで似合わないんだ、これが)、冬場は中にセーターを着込んだりしているわけです。

 しかしながら、さすがに今日は仕事初め。年始の挨拶に誰が来るか分からないので、一応、普通のサラリーマンの格好をしていました。

 が、しかし。

寒い、寒い。

 なんの自慢にもなりませんが、僕は先祖伝来の寒がりで、昔から冬場はもちろんのこと、夏場でもクーラーのきいた場所なんかでは、一人でガタガタ震えていたりします。

 案の定、今日は一人で震えながら、一日過ごす羽目になったのですが、それにしても、世のサラリーマンの皆さんは、どんな服を着て冬を乗り切っておられるのでしょうか。

 学生時代につきあっていた女性は、「そんなに寒いなら、長袖のシャツでも着れば?」とこともなげに言いましたが、どうも長袖シャツは、僕の中で「おじいちゃんが着るもの」というイメージがあって、今一つ気がすすみません。それに、僕は体が小さいので、長袖シャツだと袖口からシャツが出てしまうわけで、ちょっとみっともいいものではありません。やはり長袖シャツは敬遠した方がいいようです。

 第2の候補は、カイロを張り付けるという案があります。実際、最近のカイロはずいぶん長持ちするようになっているわけですが、しかし、それでも朝張り付けて出かけると、再び冷え込む夜にはすっかり冷たくなっているわけです。これでは解決策になっていません。

 などと寒さ対策に苦しんでいる僕をあざ笑うかのように、最近、東京の女性は袖無しの服で生活している人が増えてきています。そんな姿で寒くないっすか、と尋ねると、不思議そうな顔をして、

「えっ、だって、今日は暖かいでしょう?」

打倒、ノースリーブ

 そんな目標を、今年の目標の1つに追加して、今日の東京日記は終わります。でも、やっぱり今日は寒いっす。

最近、着ぐるみの導入を真剣に検討している冨倉


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年始の挨拶

2000.01.07

 この時期困るのは、挨拶です。

 いったいいつまで、

「明けましておめでとうございます」

を言っていいものなのでしょうか。

 学生の頃は単純明快でした。始業式の日にだけ「明けましておめでとうございます」と言い、それ以降は普通の挨拶をしていればよかったわけです。

 ところが、働き出すとそういうわけにもいきません。一応、仕事初めの日に年始廻りという儀式があるとはいうものの、当然、廻りきれない人がたくさんいるわけで、特に僕のように営業するわけでもされるわけでもない人間にとっては、初日以降に会うことになる人の方が多いわけです。

 そこで「いったいいつまで、『明けましておめでとうございます』が通用するのか」を明確にすることは、大変有意義なことと言えましょう。

 まず確認しておかなければいけないことは、年明け最初にあったときにだけ「明けまして〜」を言えばいいということです。元旦に挨拶をした人には、2日は「明けまして〜」ではなく、普通に「こんにちは」と言えばいいわけです。ここから

「年初め、最初に会ったときには『明けまして〜』と言うべきである」

という仮説を導き出すことができます。

 しかしながら、この仮説は、次のような事実から、否定されます。すなわち、

「5月に初めてあった人には、『明けまして〜』とは言わない」

 そこで第2の仮説、

「年賀状が通用する間は『明けまして〜』と言うべきである」

という説を検討しましょう。

 昔、僕の知人に3月に年賀状を送りつけてきた強者がいましたが、これは例外で、普通、世間一般では2月には年賀状ではなく、寒中見舞いとなるようです。言い換えれば、小正月までは、「明けまして〜」を使えそうです。

 なんとなくこの説が妥当なような気がしてきましたが、そんな時、隣からぼそっと

「あんたの正月ボケが直るまで」

という声がしました。なるほど。


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食欲

2000.01.12

 先日、ダラダラと夜遅く仕事をしていると、おにぎりの配給がありました。

 ヒャッホー、これで夕食代が浮いたぜいと心の中で喜んでいると、

「これはあくまでも、おやつみたいなものですからね。夕食は、ちゃんと別にとってください。とくに、冨倉さん」

と差し入れてくれた本人から厳しいお達しが出ました。うぅ、見透かされてる。

 ともあれ、僕は、いわゆる偏食ではなく、だいたいなんでも食べます。そういうわけで、母親、恋人に対して、食べ物のことで困らせることはなかったんじゃないかと自負していますし、将来、結婚したとしても妻に食事のことでとやかく注文を付けることもないんじゃないかと思っています。

 ところが。

 そんな僕の考えとは裏腹に、これまでつきあった女性は、口をそろえて、「あんたの食事を考えるのは、ほんとーに気をつかう」と言います。

 え〜、なんで〜、好き嫌い言ったことないやん。

 もちろん、生イカ、レバー、奈良漬けについては、自分でお金を払ってまで食べたいとは思わないといったぐらいの好みはありますが、それだって出されれば、とりあえず残さず食べることができます。また、魚よりは肉が、冷たいものよりは温かいものが好きと言った傾向もありますが、それだって相対的なもので、たとえ料理が冷えていようと、おとなしく食べます。こんな手間いらずな人間をつかまえて、気苦労が耐えないとはなにごとか、と口ごたえしたら、

「あんたは嫌いなものはないかもしれないけど、好きなものもないでしょ」

と言われました。さらに追い打ちをかけるように、

「好き嫌い以前に、食欲そのものがないんじゃないか」

 なにもそこまで言わなくても、と悲しい気持ちになりましたが、有効な反論を思いつかないまま、黙ってトマト入りみそ汁をすすっていた学生時代。あれから5年、今ではちゃんと一日二回は食事をとっているわけで、僕の食生活もずいぶん改善されたと言えるのではないでしょうか。だめっすか?


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魅惑のシーザーサラダ

2000.01.13

 ある日、知人と「シーザーサラダの、『シーザー』とは何か」ということが議論になりました。

 まず順当に考えて、シーザーサラダのメインとなっているものが、「シーザー」と呼ばれる食べ物だという説があります。例えば、ポテトサラダならジャガイモが、ツナサラダならマグロがと言った具合に、通常、メインとなっているものがサラダの名前に付されることになっているわけです。
 そうすると、あの中には、南国沖縄に生息しているという伝説の獅子に似た生き物の肉が入っているのでしょうか。ちょっと恐い考えになりそうですが、しかし、この説を提案したところ、知人は冷たく

「そりゃ、シーサー」

と答えました。それでは、大リーグでホームランをバカスカ打っている野球選手の肉が……。

「そりゃ、ソーサ」

 このままでは駄洒落地獄に陥りそうなので、視点を変えて、あのサラダを作った人、もしくは好物だった人の名前ではないかという案を提案しました。

 「シーザー」と言って有名な人物と言えば、もちろん、ユリウス・カエサルをおいて他なりません。多忙な業務と、ローマ風の豪勢な宴会をこなしていた彼が、体調を整えるために、様々な薬草類が入っていたシーザーサラダを食していた光景は、まさに古代ローマの香り、と一人で盛り上がっていると、

「あれって、アメリカの食べ物だったはず」

という知人の冷たい言葉で、たちまちうち砕かれてしまいました。

 そうすると、実は「シーザーサラダ」は、

本当は「シーザーサラダ」ではない

という説が浮上してきます。

 こういうと、また馬鹿なことをと思われたかもしれませんが、例えば、マクドナルドなどに代表されるハンバーガーなどを、我々は普通「ファーストフード」と言っていますけれど、あれは決して「最初の食べ物」というような意味ではなく、本当は「ファストフード」つまり、「素早くできる」とか、「即席料理」といった意味なわけで、この種の誤用を、我々はしでかしているわけです。

 そう考えてくれば、「シーザーサラダ」が本当は「シザーサラダ」だったとしても、それほど驚くようなことではありません。シザーサラダ、つまり、包丁などではなく、ハサミで適当に切って作ったサラダというのが、正解なのではないでしょうか。

 この仮説は非常に魅力的です。しかし、大変残念なことに、僕の周囲ではシーザーサラダの作り方を知っている人がいないので、真実を確かめることができません。どなたか、この件について情報をおもちの方、冨倉までこっそりと教えていただければ幸いです


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ビジネスのすすめ
または愚痴です

1999.01.15

 私は言いたい。稼ぎたいなら、もっと勉強すべきではないか。

 などと、青年の主張(改め、青春メッセージ by NHK)風に始めてみた今日の東京日記ですが、実際のところどうなのでしょうか。

 最近、iMac やインターネット、 Linux などと話題に事欠かないコンピュータ業界ですが(そう言えば最近、生彩ないですねビル君)、その影響を受けて、周辺領域も活発になっており、雨後のタケノコのように新しいビジネスが登場している訳です。

 勿論、そのこと自体は歓迎すべきことで、個人的には、色々と新しい試みが出てきて、怪しいものもそうでないものも、ごたまぜの魔女の釜状態になってくれると、すごく楽しそうでワクワクするのですが、しかし、それにしても、「それってどうなの?」と思わず首をかしげることが、僕の身の回りで起こっています。

 例えば。

 一般の家庭からもインターネットに接続されるようになり、企業も本格的に自社のWebサイト運営に乗り出しています。その結果、HTMLエディタの市場も広がりつつあるわけですが、このできが良くない。W3Cの提唱を無視して、見事なぐらいデタラメなHTMLドキュメントを吐き出すものが、非常に多いんですね。これが個人が作成したフリーウェア、シェアウェアなら、別に目くじらたてることもないんですが、立派な商用ソフトが、<P><HR></P>なんて、記述を平気で書き出しているわけで、おもわず、「そりゃまずいっしょ」という気になってしまいます。

 さらに悪いことに、HTMLエディタを使ってビジネスとしてコンテンツを制作している担当者達が、こうしたことに非常に鈍感なんですね。コンテンツ制作を生業にしている人は、確実に増えているわけですが、HTMLが、あくまでも文章構造を記述するためのものだという認識を持って仕事をしている人は、残念なことに非常に少ないようです。これだけでもトホホな気分になってしまうわけですが、こういう鈍感な『ウェブデザイナー』に限って、

「ホームページってさぁ、今までのようなチラシを作る感覚でやってちゃだめなんだよね」

なんてことを言うわけで、僕のような性格の悪い人間は、「だったら、せめて<H1>の使い方ぐらい覚えてよね」と心の中で毒づきながら、彼もしくは彼女が提案してくる「マルチメディア」な企画が社内で採用されませんようにと神様・仏様に心の中で祈っていたりします。

 さらにまた。

 Linux は、確かに既存の商用 OS よりも安定しているのではないかと思います。おそらく今後数年は、Linux を取り巻くビジネス環境は飛躍的に拡大するでしょう。しかしながら、コンピュータ系のマスコミがしきりと煽り立てているにもかかわらず、個人的には現時点ではSOHO環境に導入すべきでないと考えています。

 Linuxが安定しているのは、カーネルやGNUのツール群が完成しているからでは決してないと思います。そうではなく、Linux を導入した組織のシステム管理者達の能力や情熱的とも言える日夜の努力のたまものだと言えるのではないでしょうか。問題が発見されたとたんに、彼ら自身、もしくは社内・社外を問わないコミュニティに属する人々が、知恵を振り絞っているからこそ、安定した運営がなされているのではないかと思います。

 一般的に、SOHO では、この種のシステム管理者を専属で雇えることは極めてまれです。中には、専門の教育を受けたわけではない人物が、とりあえずパソコンに詳しいからと言った理由でボランタリーに社内のPCの面倒を見ているところもあるでしょう。こうした組織で運営されている Linux を中心にしたシステムは極めて脆弱な状態だと言えます。

 それにも関わらず、「Linuxはフリーだから、安くシステムを構築できる」と言って Linux をベースにしたシステムを提案してくる人物が後を絶たないわけで、この種の提案に対して、にっこり微笑んで「御社のシステムを導入した場合、導入後の保守・運用も、もちろん『無料』でやってくれるんですよね」という、極めて無茶で無知な対応をすることにしているわけですが、それもいい加減飽きてきました。そろそろ誰か、「MacOS で作る基幹システム」を提案してくれる人っていないものでしょうか。今なら稟議書ぐらいは書きますよ(先着1名様限定)。

 再びインターネットの話題になって恐縮ですが、先日来、Webサイトの立ち上げに関してNTTグループの担当者と一緒に仕事をしています。普段、「エヌティティ〜」と言ってはいるものの、そこは腐ってもNTT。回線速度を考慮に入れてデザイン案を考えてくるわけで、口の悪い僕ですら、「さすが!」と感じています。

 正直、現在、Webサイトのデザインを行っている人の多くは、Webコンテンツの閲覧がユーザーのブラウジング環境に大きく影響していることを理解してないんじゃないかと思える節が多々あります。そりゃまぁ、ビジネスとしてWebサイトのデザインを担当している人は、すごく高スペックなPCを使っているでしょうし、専用線で接続しているのでしょうけど、一般家庭は、まだまだアナログモデムでインターネットに接続している人の方が多いわけで、そこのとこ理解してくれよなと思います。

 しかし、やはり人間が意地悪にできている僕は、そういう重たげな企画を持ち込んでくる彼もしくは彼女に対して、「素敵なデザインっすね」と言いつつ、心の採点表では、「没」を5つぐらい記入していたりします。

 こういう性格だと長生きしないんでしょうね。

性格改善計画実施中の冨倉


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ティベリウスについて

2000.01.17

 先日、知人と品川で開かれている『ポンペイ展』に行ってきて、案の定、古代ローマづいて、あきれられている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 ところで、古代ローマ史において、ひときわ輝いている人物と言えば、ユリウス・カエサルをおいて他ならないわけですが、個人的に最も興味を引かれるのは、ティベリウスです。

 カエサルという政治家としても1人の人間としても、まれにみる理想的な人物の後継者として登場したアウグストゥスは、驚くほど冷静に自分に与えられた役割を認識し、それを忠実に実行しました。具体的には、カエサルの抱いた展望が当時のローマ市民に受け入れられるには、まだまだ時間が必要なこと、しかし、社会体制を維持するには、もはや帝政以外は考えられないこと、同時にアウグストゥス自身は、カエサルほどのカリスマ性を持っていないことを理解した彼は、実際には帝政以外の何者でもない政治体制を構築する一方で、市民の支持を取り付けるための施策を次々と打ち出しました。

 この二人の後を受けたティベリウスもまた、自身の役割を知っていました。彼は自分の前任者達が、一人はもって生まれたカリスマ性によって、一人は大盤振る舞いとも言える施策によって獲得した市民の人気を、自分が求めてはいけないことを十分に理解していました。言い換えれば、憎まれ役に徹すること、それがティベリウスの歴史的な役割でした。

 結果的に憎まれる人は多々いますが、自ら憎まれることを覚悟できる人は、おそらくそれほどいないのではないでしょうか。さらに、憎まれてなおかつ成功する人はさらに少ないでしょう。僕が彼に興味を覚えるのは、その点です。

 今日は特にオチはありません。


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電話には誰もでんわ

2000.01.18

 将棋のと金と掛けて冨倉の電話ととく。その心は、なれども取らず。
 山田君、座布団1枚。

 などと一人笑点ごっこをしている場合ではなく。

 どうも僕は昔から電話が嫌いで仕方ありません。先日、休日の昼間、突然電話のベルが鳴り、迂闊にも受話器を取ったところ、いきなり快活な声で、

「おめでとうございます」

 まだ1月ということもあって、思わずこちらも、

「今年もよろしくお願いします」

と反射的に答えてしまったわけですが、どうも聞き覚えのない声です。誰だっけかなぁと思い出そうとしていると、電話から、

「バリ島旅行の権利が当たりました。おめでとうございます」

 は? バリですか? なんじゃそりゃ、とこちらがとまどっていると、電話の女性は、バリのすばらしさ、美しさ、楽しさをまくし立て、ついては手続きをしたいので、渋谷のどこそこに出てこいと言い出します。そんなこといわれても困るわけです。

 バリに行く予定はありませんから、と断ろうとすると、彼女はすごく驚いたような声で、バリに行きたくないなんて信じられない、そんな消極的なことでどうすると説教を始めました。

 あんたに説教されるいわれなんかないと、むっとしつつ、元々短気なこともあって、黙って電話を切ればいいのに、

「そうはおっしゃいますけれど、今、インドネシアは政情不安が言われているわけで、そんなところを勧めるのは、いかがなものでしょうか」

と思わず反論したところ彼女は、

「すいません、私も仕事なんです。会うだけでいいので、渋谷まで来てもらえないでしょうか。オレンジジュースとケーキを出しますので」

と言い出しました。

 甘いものは苦手なんで……。


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レパートリー

2000.01.19

 こう言ってはなんですが、僕はもちろん女性が好きなわけです。

 男性が頼み事をしてきたら露骨に嫌な顔をしますが、同じ内容であっても女性であれば嬉々として頼まれてしまいます。ましてや素敵な女性が荷物を抱えていたら、奪ってでも彼女の荷物を引き受けるぐらいのことはします。

 そこで困るのは、

カラオケで歌える歌がない!

ということです。周囲が浜田だ、尾崎だ、ビーズだと騒いでいるのを、「何が悲しくて男の歌声なんか聴かにゃならんのだ」と、上々颱風だとか、バーシアなどといったマイナー路線を突き進んできたツケを、こんなところで支払わされているわけです。

 これまでなんだかんだと言い訳をしてカラオケを避けてきた背景には、こういう理由があったりします。

 それにしても、どうなんでしょう。他の人々は、同性の歌声を聴いて楽しいものなのでしょうか。たとえ同じ路線でも、五木君の歌を聴くよりは、長山の洋子ちゃんの歌声の方が聴いてて楽しいと思うのは僕ぐらいでしょうか? もっとも、演歌は守備範囲外ですけど。


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たまにはゲームの話でも

2000.01.21

 東京ではどうか知りませんが、関西にいた頃は、

「青は進め。黄色は注意して進め。赤は勝負!」

といった風潮が確かにありました。

 ところで、先日、仕事の参考にと言い訳をしつつ「Dreamcast」を買ってきたのですが、本来の目的を忘れて猿のように遊んでいるのが、

『東京バス案内』

です。よくできてますよ、実際のところ。

 僕は今時珍しいと言われつつも、車の免許を持っていません。そういう訳で、正確な交通ルールを知らないのですが、学生時代、知人にたびたびドライブにつれて行ってもらったため、それなりには分かっているつもりでした。実際、知人は走り屋でこそなかったものの、前が詰まってるとみると、「ほいっ」とか言いながら車線を変更し、思いっきりアクセルを踏み込み、「先生、いいんすか、それ」と言う僕に、「だーいじょーぶ、まっかせなさい」と答えながら、すいすいと目的地まで快適に走りきるタイプの人でした。

 そんな彼女の運転を思い出しつつ、『東京バス案内』で、何気なく車線を変更すると、とたんに減点。さらに法定速度を5キロ以上オーバーすると再び減点。え〜? なんで〜? 20キロオーバーまではオッケーじゃないのと思いつつ、ついに交差点に進入。信号は黄色。当然僕としては、アクセルを開け、勝負に出る訳です。すると、

「信号無視。減点」

と冷たい警告とともに教習中断。

 もしかして彼女の運転は交通違反のオンパレードだったのでしょうか?


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若い研究者への手紙

2000.01.24

 国際関係論に限らず、およそ政治学について言えば、「理想の追求」と「現実問題への対処」は車の両輪で、どちらが欠けても、学問として味気ない無味乾燥なものになってしまうと思います。

 たとえどのような高尚な理想を掲げても、今飢えている人に食料を届けられなければ、そのような学問は無力でしょうし、かと言って、今飢えている人のために未来の人の食料を根こそぎ奪うことを肯定するような学問も同じく無力でしょう。

 そういう意味で、僕はご質問の件について、どちらかが主で、どちらかが従という関係ではなく、現実主義と理想主義の両方の妥協(調和と言い換えてもいいのかもしれないですけれど)を考えていかなければいけないと思います。

 もちろん、言うのは簡単で、実際に行うのはすごく難しいことだと思います。実際、僕自身、具体的な解決案は、何も持ち合わせていません。しかし、難しいからこそ研究する価値があるのではないでしょうか。期待しています。


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とみくら まさや(vzx01036@nifty.ne.jp) $ Date: 2000/01/01 $