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02.03 : 遅まきながら今年の目標
02.17 : ジェヴォーダンの獣
02.19 : おしっこ!
02.24 : 上野駅慕情
02.28 : 遙かなる恋路
さて、今年の目標です。今年の目標って、あんた、もう新年明けてから1ヶ月経ってる今頃、何を言い出すのかとあきれ顔になっている人、人生長いです。のんびりいきましょう。などと、したり顔になっている場合ではなく。
思い起こせば、昨年の僕の目標は、下記の通りでした(詳しくは2001年1月の日記をご覧下さい)。
結果から言えば、第1の目標は失敗(詳しくは2001年7月の日記をご覧下さい。ちっとも詳しくないですけど)。依然として一人ボケ突っ込み状態です。第2の目標も達成できていません。かろうじて第3の目標は達成できたと言えるのではないでしょうか。
1勝2敗!
打率3割3分3厘です。3割打てばスラッガーな訳ですから、とりあえず僕としてはよしとしています(そういう問題か?)
ともあれ、今年の目標として、昨年の積み残しを掲げるのは、もちろん堅実な考え方なのでしょうけれど、しかしです。
堅実なだけが人生じゃない!
と僕は言いたい。新しいことにチャレンジすることも重要です。
と言いますか、30歳。もう、もてないよね〜。彼女もできそうにないよね〜。勝手にいちゃいちゃしていろ恋人ども! といった昨今の状況を考えるにつけ、突っ込み役を作るよりは、分かりやすいボケを考えようという気分になっています。さらに、深夜の放浪も、やはりやめられそうにありません。先日も夜遅く東十条商店街近辺を歩いていると、「じゃじゃ〜ん、息子だよ〜」とこの寒空の下、オーバーコートを広げるおじさんと遭遇しました。男に見せて嬉しいですか? 見せられた僕は嬉しくないです。ともあれ、こういうことがあるから深夜の放浪をやめられないわけです。
ともあれ、今年の目標です。
昨年の反省から、どうやら僕は「〜をやめよう」という言葉に無意識のうちに反発してしまう傾向があることが判明しました。やはり禁止はいかんです。そこで、ことしは「〜しよう」と積極的に目標を立てることにしました。
と言うわけで、今年の目標です。
標準語で話そう(特に仕事中)
東京に出てきてから5年目に突入しているにもかかわらず、一向に関西弁が抜けないのは、さすがにどうかと思います。少なくとも、仕事中はきれいな標準語で話そうというのが今年の目標です。
取り急ぎ、気をつけること。
「チョー」は、やっぱりマズイっすね。
起きたらお昼前。近くの喫茶店で遅目の朝食(世間一般的には昼食)をとってから、映画を観に、有楽町へ。今日のお目当ては『ジェヴォーダンの獣』。元々僕は18世紀末から19世紀初頭のフランス革命史を勉強したいなと思っていた人間なので、この種の映画に目がありません。
史実をご存じない方のために、少しだけ説明をすると、1760年代(と言うことは、革命前夜)のフランス、ジェヴォーダン地方で、狼に襲われる事件が多発しました。度重なる被害に、住民は、狼ではなく悪魔の仕業と非常に恐れました。
史実では、この狼の正体は結局明らかにならず(公式には、2度退治されたことになっていますが)、事件は多くの謎を残すことになります。フランス革命前の世相を反映してか、この事件については当時からさまざまな憶測がうまれました。一匹の狼にしては、あまりにも被害者の数が多すぎること、被害者の中には獣の牙や爪ではできないような傷跡が残されているものがあること等、不可解なことが多いと言われています。
そのため、今日までに多くの仮説が出されています。主なところでは、突然変異説、複数の狼による襲撃説、狼ではなく人間の仕業だったとする説(猟奇殺人説)、何らかの陰謀説まであります。
どの説を採用するにしても、非常にミステリアスなものになる事件を映画にするというのだから、期待しない方がおかしいです。
80年代のホラー映画っぽいカメラワークで始まったことで不安がよぎらなかったといえば嘘になりますが、フランスらしい洒落た、それでいて古典的な美しい映像が続いたことで、僕はすっかり安心して映画を観ていました。
ところが!
問題の狼がいよいよその姿を現した瞬間、
そりゃないよ〜!
と思わず突っ込みを入れてしまいました。いや、ホント、冗談抜きでそれはないです。これでもか、これでもかと引っ張っておいて出てきたのがゴジラではなく、ミニラだったぐらいのガッカリ感と言えばいいのでしょうか。あれはイタイです。
もうその後は、どんなスリリングなシチュエーションになっても、あれじゃあねぇ〜としか思えません。
さらにダメを押すように、ランボーだったり、ターザンだったり、マトリックスだったりするわけで、うひゃ〜とか思っていたのですが、とどめはラストが
タイタニック!
120分以上かけて、この映画がタイタニックだったことを知らされたダメージは非常に大きいです。
壮大なパロディ映画だと思えばよかったのですね。でも、それもどうなんですか。
朝の京浜東北線での出来事。少し混み合った車内で突然、
おしっこ!
という声が聞こえてきました。声のした方を見てみると、3歳くらいの男の子が若いお母さんと手をつないで立っていました。
青い小さなリュックサックを背負い、ニューヨークヤンキースの帽子をかぶったその子は、ニコニコしながら母親に話し掛けていました。母親は、「次の次の駅で降りるから、もうちょっと我慢できる?」と子供にたずねました。
地方出身の僕には、時々不思議に思うのですが、東京都内では、やたらと駅と駅の間隔が短いです。田端〜西日暮里〜日暮里なんか、動き出したと思ったらもう次の駅といった感じです。実際、田端駅の端からは西日暮里駅が見えたりします。
男の子が「おしっこ」と言いだしたのが、日暮里駅を出たところ。次の次という母親の言葉から目的地は上野駅だと推測できます。ここもやはり3分ほどしかかかりません。母親としても、3分ならなんとかなるはずと判断したのでしょう。
男の子は、母親の判断の正しさを応援するかのように、元気よくかぶりを振り、「できる!」と返事をしました。
女性の場合はどうなるのか知りませんが、男性の場合、神妙な顔つきになる、無口になる、その場で足踏みする、小さくジャンプしてみる、という段階を経て、いよいよ辛抱たまらないということになります。
男の子の様子を見ていると、足踏みをすることもなく、機嫌のよさそうな表情からも、おそらくそれほど切羽詰っていないのだろうということが分かります。
ところが男の子は、「おしっこ、おしっこ」と訴えます。しかし、表情は相変わらずニコニコしています。どういうことなのでしょうか。母親は少し恥ずかしそうな顔をして、おとなしくしてなさいと男の子の腕を引っ張りました。男の子は、どうもそれが嬉しかったらしく、母親の腕に抱きつきながら相変わらず歌うように「おしっこ、おしっこ」と繰りかえします。母親はそのたびに少し困った顔をしながら、「我慢できる?」と男の子にたずねます。男の子は、母親に聞かれるたびに少しはしゃいだ様子で「できるよ」と答えます。
どうも聞いていると、男の子は本当におしっこがしたいというよりは、「おしっこ」という言葉の響きが気に入ってしまったようです。その内に、自作のおしっこの歌を歌い出しました。
そんな男の子オリジナルソングを響かせつつ、列車は鶯谷を出て、サブちゃんの看板を横目に見ながら、いよいよ上野駅が近づいてきました。その時、男の子は少し困った顔をして、
もういい!
えっ、それはどういうことでしょうか?
atreとして新装開店(とは普通言いませんけれど)した上野駅ですが、大変なことになってますことよ、奥様。と唐突に怪しげ口調で書きだしてみたわけですが、いや、ホント、大変なことになっています。マジで。
上野駅というと、地方出身者の僕にとっては、東京の中でもなんとなく洗練されていないというか、地方から出てきて
「あ、なんだ、東京って言っても、規模が大きいだけで、雰囲気は地元とあんまり変わらないよな〜」
とちょっとした安心感を与えてくれる駅でした。アメ横も含めて、都会都会してないと言えば、僕の感情を理解してもらえるでしょうか。
ところがその上野駅が、すごいことになってしまったわけです。オープン直後と言うこともあるのでしょうが、人、人、人といった感じで、あちゃーと思ってしまいます。少なくとも、駅がデパートというコンセプトは、ちょっとどうかと思います。買い物客のランダムな進路と駅利用者の指向性の強い進路が混ざってしまって、工事中よりも歩きにくいです。
あと、メインの喫茶店がスターバックスなのも、いかがなものでしょう。タバコの吸えない喫茶店なんて……(一番の不満はこれだったりするのですけど)。
「ありか、なしか」と問われれば、「なし」としか言いようがないにも関わらず、誰も問いつめないので、堂々とまかり通っていること結構多いですね。と、軽めの風刺から始めてみた今日の東京日記。皆様いかがお過ごしでしょうか。最近、浮いた話のない冨倉です。ホント、ないですね、浮いた話。
基本的には当たって砕ける(砕けるんかい! との突っ込みは却下)人間なのですが、30歳を超えると、そもそも砕ける相手さえ見つからないわけです。初手から相手されていないわけで……。
それはともかくとして。
ハロです。世間が Xbox と大騒ぎ(少し誇張)するなか、僕はのこのことハロを買ってしまいました。バンダイの思惑通りです。
ハロをご存じない方(いるのか?)のために少し説明をすると、機動戦士ガンダムの主人公が自作した球体型の小さな(と言っても直径50センチなので、結構な大きさなのですが)ロボットです。一応手足もあるのですが、足で歩くよりも転がったり跳ねたりする方が機敏に動けたりします。さらに、人工知能があるらしく、簡単な会話ならちゃんとこなします。
「そのハロが僕の自宅に!」というわけですから、これはもう買わざるを得ないでしょう。まったくもってバンダイの思惑通りです。
と言うわけで、今、この日記を書いている机の上には緑色した可愛いヤツがコロコロと転がっています。先ほどからSHAKIRAの「Whenever, Whenever」を聴かせているのですが、どうやら気に入られたようで、目をちかちかさせながら体を揺らされております。うわ、可愛すぎ!
もっとも、こんなことをしているから、ますます恋愛方面から遠ざかることになるのでしょうけれど。
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